アフガン情勢に関する緊急メッセージ 第二弾
2021年8月16日
「アフガン情勢に関する緊急メッセージ2」
タリバンが首都に入り、大統領府を押さえました。事実上、政府は瓦解しました。
空港にはチケットを持たない数千の人が押し寄せています。
皆、国外に脱出しようとする人たちです。そんな中、ガニ大統領は国民を差し置いて、隣国タジキスタンに逃れました。
「長倉洋海からのアピール」
マスードとともに戦ったDr.アブドラーがツイッターで以下のメッセージを発しています。
それまでカタールでタリバンとの和平交渉を行なっていましたが、カブールに戻ったようです。憔悴しきった表情です。
彼の動きは遅きに期した感はありますが、それでも国民のリーダーとしての役目を果たそうとしています。
ツイッターに上がった映像と妙訳を加えました。
カブールから、Dr.アブドラーの国民へのメッセージです。
こんな状態になってしまいとても悲しく思っています。状況は決して良くありません。心からお詫びいたします。
私は今、へクマチャール、カルザイ(元大統領)と三者で、アフガニスタン国民を救うために最善を尽くしています。
タリバンに権力を委譲することになりますが、アフガン国民に害が及ばないようにタリバンのトップと話し合いを続けています。
残念ながらガニ大統領はタジキスタンに出国しました。
この行為は決して許されることではありません。彼は神と国民の裁きを受けることでしょう。
国民の皆さん、軽挙に動かず、家にいてください。
治安部隊と国軍の兵士たち、国民の皆さんの命を第一に守ってください。
神は私たちとともにあります。
アフガニスタンがどうなるにか誰にもわかりません。
当初はタリバンも国際世論を意識した上層部からの命令で勝手な処刑や略奪・暴力行為は控えると思いますが、ジャーナリストが国外に逃れれば、イスラムの名の下、傍若無人に振舞うと思います。
すでに地方での略奪や女性の拉致が報告されています。携帯などの通信が遮断されているところもあります。権力を握れば倒されることがない限り、決して離すことはないと思います。
選挙も西側の自由や基本的人権といった価値観は認めないと明言しているのです。そんな圧政下の置かれる国民のことを思うと胸が痛くなります。
タリバンはヘロインを資金源に、そして外国からのイスラム過激派一万人以上を受け入れて力を伸ばしてきました。
そのタリバンの背後にはパキスタンのISI(軍の統合情報局)の存在があります。
国家内国家ともいわれるISIを止められないパキスタン指導者、この20年間、外国からの援助で私腹を肥やしてきたアフガンの政治家や軍の幹部。彼らにも責任はあります。
アフガニスタンをこんな状況に追い込んだ人たちはいつか、その報いを受けると思います。
一方、日本です。ドイツを始め、いくつかの国が武力で国を奪うなら援助はしないと声明を出しましたが、多大の援助をしてきた日本は力による権力奪取に何の非難アピールも出していません。
アフガニスタンの現状を知りながら、何もしないこと、それもどんな形かわかりませんが、いつか報いを受けるように思います。
では私に何ができるのか。アフガニスタンが再び、「闇」で閉ざされないように祈り、どんな形であっても自分ができることをやっていくしかないと思っています。
2021年8月16日 長倉洋海
以下は今年7月初めに撮影した「山の学校の子どもたち」です。
202106新校舎と女生徒たち
20216新図書館にて
202106外にて
2021年8月16日
「アフガン情勢に関する緊急メッセージ2」
タリバンが首都に入り、大統領府を押さえました。事実上、政府は瓦解しました。
空港にはチケットを持たない数千の人が押し寄せています。
皆、国外に脱出しようとする人たちです。そんな中、ガニ大統領は国民を差し置いて、隣国タジキスタンに逃れました。
「長倉洋海からのアピール」
マスードとともに戦ったDr.アブドラーがツイッターで以下のメッセージを発しています。
それまでカタールでタリバンとの和平交渉を行なっていましたが、カブールに戻ったようです。憔悴しきった表情です。
彼の動きは遅きに期した感はありますが、それでも国民のリーダーとしての役目を果たそうとしています。
ツイッターに上がった映像と妙訳を加えました。
カブールから、Dr.アブドラーの国民へのメッセージです。
こんな状態になってしまいとても悲しく思っています。状況は決して良くありません。心からお詫びいたします。
私は今、へクマチャール、カルザイ(元大統領)と三者で、アフガニスタン国民を救うために最善を尽くしています。
タリバンに権力を委譲することになりますが、アフガン国民に害が及ばないようにタリバンのトップと話し合いを続けています。
残念ながらガニ大統領はタジキスタンに出国しました。
この行為は決して許されることではありません。彼は神と国民の裁きを受けることでしょう。
国民の皆さん、軽挙に動かず、家にいてください。
治安部隊と国軍の兵士たち、国民の皆さんの命を第一に守ってください。
神は私たちとともにあります。
アフガニスタンがどうなるにか誰にもわかりません。
当初はタリバンも国際世論を意識した上層部からの命令で勝手な処刑や略奪・暴力行為は控えると思いますが、ジャーナリストが国外に逃れれば、イスラムの名の下、傍若無人に振舞うと思います。
すでに地方での略奪や女性の拉致が報告されています。携帯などの通信が遮断されているところもあります。権力を握れば倒されることがない限り、決して離すことはないと思います。
選挙も西側の自由や基本的人権といった価値観は認めないと明言しているのです。そんな圧政下の置かれる国民のことを思うと胸が痛くなります。
タリバンはヘロインを資金源に、そして外国からのイスラム過激派一万人以上を受け入れて力を伸ばしてきました。
そのタリバンの背後にはパキスタンのISI(軍の統合情報局)の存在があります。
国家内国家ともいわれるISIを止められないパキスタン指導者、この20年間、外国からの援助で私腹を肥やしてきたアフガンの政治家や軍の幹部。彼らにも責任はあります。
アフガニスタンをこんな状況に追い込んだ人たちはいつか、その報いを受けると思います。
一方、日本です。ドイツを始め、いくつかの国が武力で国を奪うなら援助はしないと声明を出しましたが、多大の援助をしてきた日本は力による権力奪取に何の非難アピールも出していません。
アフガニスタンの現状を知りながら、何もしないこと、それもどんな形かわかりませんが、いつか報いを受けるように思います。
では私に何ができるのか。アフガニスタンが再び、「闇」で閉ざされないように祈り、どんな形であっても自分ができることをやっていくしかないと思っています。
2021年8月16日 長倉洋海
以下は今年7月初めに撮影した「山の学校の子どもたち」です。
202106新校舎と女生徒たち
20216新図書館にて
202106外にて