糠地郷風土記

大島康紀のアトリエ日記

春霞

2011-03-25 | 里山日記
浅間山麓から南方に広がる佐久平、御牧ヶ原台地を見渡すことができる。
その先に八ヶ岳連峰が空に稜線を描く。
峰々の右手にこんもりと一際高く見えるのが蓼科山。
佐久の人は、蓼科山を「女山」、浅間山を「男山」と呼んで
南北の雄姿を眺め、親しんできたようだ。
霞の中に残雪の蓼科山が浮かんで見える。
雪形を見て種蒔の時期を計り、明日の天気を知る。

馬頭観音詣

2011-03-24 | 里山日記
村内に入る一本道の脇に大きな碑が建つ。
馬頭観世音の文字が深く刻まれている。人々を出迎え、見送って会釈しているかのように立っている。
村内に幾つか馬頭観音の碑をみかける。かつて農耕のために馬が飼われていた暮らしが偲ばれる。

お隣の地区に立派な馬頭観音が
祀られていると伝え聞いて参拝に出かけた。
瓦ぶきの屋根の祠に三面相の石の観音様はおられた。
馬頭観音は、人や動物たちの安泰と息災を守ってくれる神とも聞く。
道の辻にある道祖神もまた家内安全・無病息災を願う人々の心の表れだろう。

東関東大震災の被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。
長野県でも県境の栄村などで震度7の余震で被害が出ました。
わが区でも全村で義捐金を募りました。


みはらし交流館

2011-03-22 | 里山日記
西小諸活性化施設「みはらし交流館」がオープン。
昨秋、落成式典には住民の多くが集い賑やかに幕を開けた。
西小諸は、井子・芝生田・糠地の三区からなり、
市街地からやや離れた地区で丘陵地の高台にある
同館からは南遠方に富士山も見える景勝地。
行政も活性化に力を入れてグリーンツーリズムのプランに取り組んでいる。
地域の集いや他県からの体験教室の場になればと、期待は大きい。
すでに、蕎麦の会や料理教室が開催され、この日も健康教室が開催されていた。


矮鶏(ちゃぼ)たちの春

2011-03-19 | 里山日記
「コケコッコー・・・」鳥たちの朝は早い。
雄鶏が朝を告げる。ひよこから育てて3年、夏場になると数個の卵を抱いて雛をかえす。
狐や狸もやってくる。テンに襲われ犠牲になった子もいる。
陽気が少し春めいて雌鶏も騒がしくなった。ねぐらにコロンと初生みの卵を発見。
かたまって寒さをしのいでいた矮鶏たちも春が来たのを感じているようだ。
炊きたてのご飯にピンポン玉のようなプリプリ卵をかけていただきました。

出て来い・出て鯉

2011-03-19 | 里山日記
水温み、庭の隅の小さな池で草の下にじっとしていた魚たちが顔を出した。
彼岸の入りというのに朝の庭の温度計は氷点下。
日中ようやく氷が溶けて餌を撒いてあげたら水面までやってきた。
「錦鯉の子ですか。」「可愛い鯉ですね。」訪ねてきた人が
口々に褒めてくれるけれど、このさかな金魚です。
3年前の夏まつり。金魚すくいのイベントで
余った金魚のおすそわけでいただいたものだ。
「コメット」という3センチほどの金魚。
それが今では15センチはあるだろうか。
鯉と見間違われるほどになったが
尾ヒレが3つあるのもいて、やっぱり金魚です。

山の訪問者

2011-03-08 | 里山日記
珍客来訪。
林道で時折見かける日本カモシカが訪ねてきた。
家の近くまで来るのはまれなこと、視線が合っても逃げ出す様子もなく悠然と構えていた。

「クマ出没注意」「鳥獣保護区」の
看板が、散歩する道の脇にも立っている。
クマにはまだであったことはないが、里の林檎園に出没したり
山菜摘みやキノコ狩りに行った人が遭遇したりしているようだ。
山に動物たちの食糧が乏しくなった自然現象も原因ともいえるが
人間も動物たちの居住圏に立ち入っているのだから
共存の道を探っていかなければと思うのだが。

カモシカ君はしばらくしてゆったりと山の稜線に姿を消した。

「ワカサギ釣り」ニュース

2011-03-05 | 里山日記
ワカサギ釣りのニュースが地元「小諸新聞」に掲載された。
天池(あまいけ)は糠地の入り口にある大きな溜池で、田畑を潤す水源池。
氷上のワカサギ釣りは、全面結氷したこの時期の風物詩となった。
一時、ブラックバスが増えて絶滅の危機にあった。池の生態を管理する愛好会
ができて、湖畔の釣りやお花見会など、今では村のオアシスともなっている。
(記事・小諸新聞3月4日号より転載)


黒斑山、待春

2011-03-04 | 里山日記
浅間山の手前に鎮座する黒斑山。
わが里からは峰の稜線が見え隠れするだけの山だが、
隣村の広大な台地から雄大な全容を仰ぎ見ることができる。
浅間を抱きかかえるように居並ぶ黒斑もまた古代の噴火口の一辺なのだ。
山麓の木立の枝先が赤みを帯びて、芽吹きの準備をしているようだ。