更年期を過ぎた私は
異性にときめくという
一種の病から解放されている。
しかし、やはりこの年になっても
ハッとするような魅力を
感じさせる異性に出会う事がある。
それは恋愛とは違っていて
相手に振り向いてほしいだとか、
独占したいという感情はサラサラ
起きない。
この不思議な
魅力を発する者は一体なにものだろうか、
とか何故こんな雰囲気を身に
纏っているのだろうとか、
想いながら愛でている。
そう、ある意味、観察すること自体が
目的のような。
最近、その観察に価する人物に遭遇
したのだ。
20代だろうか?
全然キャピキャピしていない。
髪を少し赤く染めている。
ということは学生?
外見はまあまあ。
じゃあ何に惹かれるんだろう。
色気というか艶というか
そのようなものがそこはかと
感じられる。
たかだか20代の男性にそんなものが
あるのかなあ。
言い方を変えれば、傷のようなもの。
影のようなものがその人を覆っている。
何に傷ついているんだろう。
どんな闇を持っているんだろう
なんて想像させてくれるのだ。
ルキノ ヴィスコンティ監督の
「ベニスに死す」の美少年タジオを
ストーカーするおじさんみたいなもんだね。
ああ嫌だ嫌だ。早く目を覚まさないと~
何が言いたいかというと
傷だとか影だとかそういうものが
その人の魅力になりうるって思うのよね。
自分ではマイナス要因だと思っていても
別の角度から見るとその人の艶、色気、
魅力になっているって事があってね、
世の中は摩訶不思議。