ラインを使いたがらない人々もいるのだが今時、大概の人はラインで連絡をとっているらしい。
ラインを利用すれば電話をかけるということも減ってくる。
が、ラインを使いたがらない一定の人々は携帯電話会社と電話かけ放題というものに契約していることが多いのだ。
これが、実に厄介である。
Tさんは現役を引退して年金暮し。今まで時たま電話連絡があった程度だったが、最近電話をかけてくることが多くなった。
まるで、どこかで私の行動を見ているか如く、すべての用事が済んでホッとソファーに座ったとたんに電話がかかってくる。
カケホ契約をしているので一回の通話時間が長い。放っておけば一時間若しくは二時間位話しつづけている。私は専ら聞き役である。
話題は同居の長男さんに対しての不満、自身の老いに対する不安など。
これらの悩みが最近ひどくなっている様子。
ま、私も悩みが深い時は誰かに話を聞いてもらい何とか切り抜けたこともあったのでそう無碍には出来ない。
因みにその当時カケホ等というものはなかったのでそう長時間、悩みを訴えることはしてないと思いたいのだが実際どうであったろうか。
しかし、他人の悩みを聞くのはこんなに疲れるものかと身にしみた。
大体、一時間、二時間も聞き役に徹する集中力は最早私にはない。
話しはじめて30分頃から相づちも疎かになり、一時間を過ぎると全く内容が頭に入らなくなり、二時間近くなるとどうやって電話を終わらせたら良いかということばかり考えている。
誰か家にやって来たとかスマホを持つ手がダルくなったとか言ってTさんに通話が長くなったことを悟ってもらい電話をきってもらう。
最近は「貴女も私の年齢になれば私の気持ちがわかる」というせりふが繰り返し、繰り返し発せられ、その言葉がまるで呪詛のように感じられ気が重くて仕方がない。
ああ、カケホもせいぜい一時間程度で区切りをつけたほうが利用者もいいのではないだろうかと思う今日この頃。