芥川龍之介の短編小説の
中で題名を思い出せない作品がある。
大まかに内容を記すと
ある者が地獄に行く。
そこの住人は食べ物は豊富にあるが
長すぎる箸を持たされ、
それを用いて食事をするように
強いられている。地獄の番人が
見張っている。
地獄の住人は勿論、
必死で長すぎる箸で
食べ物を口に入れようとするが
食べ物はスルリと落ちてしまい
一向に食べることが出来ず、
皆、ガリガリに痩せている。
そして、その者は今度は天国へ行く。
地獄と同じように、そこの
住人も長すぎる箸を持っている。
けれど、皆ふくよかで満足そうだ。
そこでは、長すぎる箸を使って
自分以外の人の口元に食べ物を
持っていく。他の人に食べさせる。
すると食べさせた他の人は今度は
自分の口元に食べ物を持ってくる。
だから飢える事はない。
天国と地獄は僅かな
違いしかないが
その僅かな違いが
幸福と不幸の元になっている。
という児童向けの物語を
ふと思い出した。
ウクライナ南部にあるダム決壊
でウクライナの人々も露軍も
大変な被災を受けた。
これから更に深刻な事態に
なるのだろう。
露軍がウクライナの被災者を
助け、ウクライナの人々が
露軍の被災者を助ける事が
出来たら、、、。平和に
近づけるかもしれない。
が、それは難しい事だろう。
不可能な事かもしれない。
でも、お互い何かを許し合わなければ
いつまでも争いは続くだろう。
被災者救助を第一に和平交渉
を行うように仲介できる国は
いないのだろうか。