みかんのつぶやき。植物とか妄想とか愚痴とか情報のゴミ。

マッチ箱

あれは今から30年程前。

まだ、ベルリンの壁があった頃。

旧ソ連も勿論存在していた。

ソ連の文化は日本の文化に

影響を与えてくれた。

文学、演劇、音楽、、、。


けれど、私をソ連という国の一端に

触れさせてくれたのは

とある地方都市の駅の売店だった。


今でも駅の売店はキオスクと

呼ばれているのだろうか。


その頃、ソ連は優良な労働者を

讃えるため日本旅行を

させていたのだ。

何十人という大きな集団ではなく

数人の目立たない人数で訪れていた。


ガッシリとした体型のソ連の

女性とおぼしき人が

キオスクで何か買い物をしていた。


何を買うのだろうと横目でチラリと

見ていると、その女性はマッチを

3,4袋買っておられた。


仏壇に置くような小さい箱のマッチ。

私は、それは不経済。

もっと大きな店で大きい箱の

マッチが買えるし、いっそ

100ライターの方が経済的なのに

と思っていたが、その方は、

大事そうにしまっておられた。


そして、ハッとした。

その頃、ソ連には品物が

なかったらしい。

日本に来られたソ連の方々は、

日本には物が豊富にあることに

驚かれるらしい。

週刊誌等はそんなことを

揶揄しソ連の人が帰りたくないと

空港でダタをこねた等と

書いていた。

(勿論、思想的なチェックはしっかりしていたのであろうからそんな

ことはあるはずはないのだが)


ああ、そうか。

彼女は同僚に若しくは

友人にお土産を

買っておられたのだろう。


もう一度、その女性の横顔をチラリと見る。

旅行者らしいウキウキした感情は

サッパリ見受けられなかった。


ソ連は戦争に勝った国、

日本は負けた国。

どうしてこんなになったのだろうと

私はそう思った。


1991年ソ連は崩壊した。


=以下ネットより=

1991年12月、米国と並ぶ超大国として世界の覇権を争ったソビエト連邦が消滅した。共産主義の理想を掲げたソ連は、自由と人権を抑圧する全体主義国家でもあった。ソ連崩壊から30年、継承国ロシアは「大国の復活」の野望を抱くプーチン大統領の下で再び強権体制へと傾き、中国などと連携して米欧主導の世界秩序に挑戦する。東西冷戦の勝利に沸いたのもつかの間、民主主義陣営は再び試練に直面している。

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