荒俣宏さんにゃ！

ちょっと前のことです。
テレビのトーク番組に、作家で学者の荒俣宏ご夫妻が出演していました。
夜遅い時間で、私はいつものようにボケッと、見てたんですが、
荒俣さんが突然
「僕は人生の半分はあきらめることだと思っています。」
と言われたんです。
そのとき、どういうわけか私もそのような気分だったので、《う～ん、そうかもしれない。》
と、急に姿勢をただし、画面に向かって正座しました。

荒俣さんは学生時代、ほしい本を買うために節約して、お昼ご飯は食べないことにして、バス代がもったいないので、歩いて移動したんだそう。女性と付き合うなんて、もってのほか、本のために明るい青春を全部あきらめたのだそうです。

続けて言われるには、
「あきらめなかったら、あせりにつながりますから」
　うっ・・・。なるほど、あせるのは、だめにゃ。あせっていると失敗する。
過去の数々の失敗が私の頭に浮かんできた。なんだか目からウロコ。

博学で何でもご存知みたいな方なのに、まったく偉ぶった感じがしなくて、いつも飄々としている荒俣さん。
あのゆとりのようなものは、全部持っているからではなくて、半分は、すっぱりあきらめているから、あせらないのだとわかったら、妙に親しみがわいてきました。

もちろん、「あきらめる＝投げやりになる」では、ありません。
あきらめるものの反対に、絶対捨てられない大切なものがあるからで、それが保持できるなら、それ以外のものに固執することはないんだということなんだと思います。

あの晩以来、荒俣宏さんのファンになりました。

「食う寝るあちょぶ」の３つがあれば、
　　　　　　　　　　　　　地位も名誉もいらにゃあもん　　　　　　
　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　はあ、そうですか、よかったね
　

　　　　　　　　　

　　皆様へ　　
　いつも、読んでくださってありがとうございます。
　事情があって忙しくなるので、1ヶ月ほどお休みします。
　また、必ず復帰しますので、それまで荒俣宏さんを見かけたら、
　にゃんころりんを思い出してくださいね。