サンチョパンサの憂鬱

昼下がりのサンチョパンサ(2)……『自然人の知力』その危機だと…

僕はDNAについてそんなに深い知見がある訳じゃない。しかしそこに組み込まれた能力が2代、3代繋いだ位で急速に劣化する筈がないことくらいは解る。

今、四、五人の学生がアルバイトで出入りしている。偏差値でいうならそんなにおバカとされる大学ではない。

以前にも書いたけれど、彼女達はアンリ・ファーブルを知らない。ジュリアス・シーザーを知らない。リンカーン大統領を知らない。シートン動物記も知らなきゃヘミングウェイの老人と海も知らない。シュバイツァーすら知らない。

万有引力も上手く説明出来ないし、比熱も理解していない。分数の割り算は何故?ひっくり返して掛け合わせるか?も全く理解していない。

オリンピックでは若者が新記録を絶えず叩き出しているから体力的なDNAは維持されている。
何故?『知力』がこれだけの劣化を見せているのか?

一人当たりの教師数は減ってはいない。むしろ増えてる。教育補完機関(塾)は凄く充実したし生徒一人あたりの公的、民間の教育サービスは物理的には圧倒的に増えている筈なのに。

政治史も法思想史も自然科学の知識もぶつ切りで些末な記憶で断片的に散らばっている。
要するにどの分野の知識も『体系的に整理されていない』のである。

ニュースで『アメリカの民主主義の危機?』なんて伝えても……ルソーも上杉鷹山も彼女達は知らない。マグナカルタもカエサルの寛容主義も知らずしてその民主主義の危機って奴が理解できないのは当たり前だと感じるのである。
当然小学校で習う三権分立もメカニズムを説明出来ない。

教育委員会がミエミエの案件を『イジメなどない!!』と躍起になって涙目で主張するくらい狂っているけれど……そんな教育界隈の大人達の堕落が……子供達の脳死状態を作っている。

会話の短いセンテンスの中に…必ず彼女たちにとっては『初耳の語彙』が入る為に中断して調べさせるという事は日常茶飯事なのである。

『話は出来る』けれど『意味を伝える』というレベルには中々至らないのである。
彼女達の会話は単に音として声を聞いているレベルと言って過言ではない。
とても性格も良いし頭の素材も悪くはないのに……ね?

公務員の怠慢、堕落は官僚のみではない。
全国津々浦々の小中学校の公務員の怠慢は……教育の凄まじい劣化を招きこの様な形で社会に『しわ寄せしてくる』のである。

カネ不足ではない!……原因は教育に携わる関係者達の『力量不足』に尽きるのである。
ゲーム脳、スマホ脳?……子供達の能力をスポイルしている最大の原因はそれじゃない。
教育現場の大人の人間達の『能力・人間力の過不足』こそが最大の原因だと僕は……痛感しています。

もう…文科省の姑息な言い訳で済ませられるレベルじゃないと……申し添えておきますね?
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