サンチョパンサの憂鬱

サンチョパンサの食卓(2)

ここ一年、やたらと若いカップルがやって来てはハンバーグ&パンorライスのみをオーダーする現象がとても目立つ様になった。

何故?今更ハンバーグ?という疑問と不満。
ハンバーグばかりを切り出してやたらと宣伝した君のせいだ!と僕は店長を責めたけれど……。

犯人はGoogleだった。
何故だかハンバーグを検索するとウチの店が最初に出て来るのだとお客さんから教えられた。
何の愛想もないハンバーグがお皿の真ん中に。それにデミグラスソースを掛けてのサービスは彼らからすればとても高いモノに付く。

付け合せもなし。サイゼリアなら取り合わせも十分にしてプライスは半分以下。
『コスパが高いのに?』……と思う。

エラそ振って言うんじゃなく、僕みたいな零細経営は、感度と単価が高いお客様を相手にしないと経済構造的に追い詰められるのである。
彼らの様なお客様はもっと資金と人的資源と組織力を有する『大手様』の守備範囲となる。

彼等は必ず写真を撮る。
まるで野犬がマーキングでもするように『来店の証拠を残そうとする』のである。
食べる頃にはすっかり冷めてしまうんじゃね?
なぁ~んて心配すれど……彼等の感度のキャパシティに『食べ物の温度』というチェック項目はない。

ここは自分達の守備範囲じゃない?
最低そこは気付いて欲しい。
でないとコッチも悲劇、彼等もまたコスパの悪い食事になって悲劇。

どっちが良い悪いと言うんじゃなく、『お互いに辛いやね?』と思うのである。
近所のコンビニは夜10時以降はトイレは貸さないことにしたのだとか?
缶ビール一つ持って外で座り込んで酒盛り。交代交代でトイレを使うんだとか。

彼等にしてみりゃ激安居酒屋より、もっとコスパが良いって理屈なんだよね?
温厚な二代目店主を苦り切った表情にさせるんだから凄い嫌がらせ上手なんだね?

客質を問わずにグルメサイトは一人に一つずつ『公平に評価・評論する』機会を与えるのである。
まるでこの国の選挙と一緒。
良識派は必ず少数派。数がモノ言う多数決で何時も肩身狭く隅っこで息を潜めているという構図。

お箸とお茶碗の持ち方一つ満足じゃない多数の人間が『イッパシの評論と☆を評価』しちゃうんである。
もし?『そんなの』に褒められたら?
僕は自分のやって来たことを根本から考え直さなきゃならないんじゃね?

『妙に権利を振り回す下劣な風潮』をそろそろ止めないか?
『そんなの』が訳知り顔で的外れを書きまくりってね?表現の権利のはき違えです。

その権利を主張するなら?
下手な人間には『知られたくないお店の権利』ってのを尊重、遵守してからお演んなさいな。

こと、権利に関して軽薄なアメリカ人の請売りが過ぎてきたのである。
殆ど屁理屈の様な論理。一部を切り取りそれで全部を正当化せんとする権利主張はグー握りのお箸使いを見せられる位、胸が悪くなります。

食欲、物欲、性欲ってともすればアカラサマとなりがちである。

ポルノ女優と不倫して、往生際が悪く口止めなんかしちゃったりなんかしたりして、それでも居直るトランプは『大統領候補』なんだって。
全米アカラサマ選手権?……強欲な恥知らずほど勝利する。

この国のお食事風景もなぁ~んか?そんなアメリカ事情と妙にシンクロしちゃう今日この頃……です。
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