サンチョパンサの憂鬱

空間の使い方名人……

子供が同伴でも構わないか?……と予め問い合わせ。迷わずOKした。

子供がやらかす迷惑に先に気を回せる親なら間違いなく子供達にこの空間の暗黙のルールを遵守させる力がある親だからと思ったからだ。
結果は思った通り、他の席の大人達より余程気遣いの出来るファミリーだった。

この人は初見の空間を使う事にとても長けていた。
分からない事を『聞く力』が半端なかった。
こんな味のワインは?から始まりこの子達に肉料理を食べさせたい。オススメはありますか?……などなど。

結果、初めましてのこのお客様は、この店の長所を最大限引き出して堪能し尽くしてくれたのである。

アンケート用紙には、小さな子供達を快く受け入れてくれてとても親切にして頂きましたこと感謝致します……とあった。

三人の子供達は何処に出しても恥ずかしくない小さいながら既にとても素敵な紳士淑女に育っていた。

中途半端な知識をヒケラカシては大きな声を出す?といった自称グルメのメニューアソートは必ずチグハグになる。何よりスタッフ、他のお客様をとても不愉快にさせる名人だけど……。

この『聞く名人の家族』は開店以来希にみる当店の『空間利用名人』であった。
自分の知らない事を、ハッキリと認知出来ている人は……自分の人生をとても豊かに運営出来るんだな?……と肝に銘じた次第でした。

これだよね?ホスピタリティは供する側と、サービスを受ける側との共同作業。その結果気持ちの良い時空間を共有する事で成立する。

こちとらカネ持ってんどぉー!カネ払ってんとぉー!……な人はカネの力のみしか知らない。
要は『とても無知』なんだけど悲しいことに当人がそれに気付けない……。

飲食店で、空気を汚して良いのは自分のテーブル上に限定されている。
カネ払ってるからといって他人のテーブルの空気を損なってるのは『空気汚染罪』なんだけど……。結果他人の折角の料理に無駄ガネ遣わせてる事に気付けないご仁なのである。

その人の愚劣さは決して『育ちなんかじゃない』のである。
単にその人の『心が悪い』せいである。
幾ら貧乏でも『心遣いはタダ』で出来るのですからね……。

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