またはその階層達を表現するキャッチコピーの役割を果たしている。
これを口にする者達はムリ!と発する度に合わせ鏡の世の中から同様に『無音のムリ!』で意思表示がなされている事に気付き様もなく……。
何故なら彼等は、世の中と隔絶された
『僕の国・私の国』……の王子様・王女様だからである。
何とか!して上げたいと願えども……如何ともし難く『ムリ!』なんである。
ま、好き嫌いは『ご本人の自己責任』って奴だから批判的にモノ申すのは止めなきゃね?
ある時バイト募集で『今頃は……難しい』とされる様になった女子大学の娘が、今のバイトにはシフトに中々入れて貰えないから採用して欲しいとやって来た。
皿を洗わせれば終わるのに三年掛かりそう。急げと言われては顔をしかめる。手が荒れるからとタップリ時間をかけてゴム手袋の脱着。ありゃ使えんな?となった。
翌日彼女よりメール。注意の仕方が厳しすぎる。お宅は『私にはムリ!』なるメール。
『そうでしょうね?当方も貴女にはうちではムリ!と話しておりました。良いバイト先見つかれば良いですね』……と返信。
ほう?……そちらでもムリ!と思ってたぁ?
から始まって怒涛のメールの嵐。如何に私にはムリ!なのか?聞きたくもないご高説がタップリやって来た。
彼女は前のバイト先でもうちでも『ムリ!』と拒絶を食らったとは考えない。
『私がダメ出ししたのだ!』との立場にエラクご執心だった。『良いですか?私があなた方を切り捨てたのだ!』のスタンスで首尾一貫してた。
その若さで……恐ろしい頑なさと我田引水振りは、人生で何も良いことがなかった老婆の様だな?と思った。
貧困ではない、かといって富裕層とは言えないだろう彼女が育った家庭。
どうして、演る事為すこと……こうも彼女は自分の我を通す人格の育ち方になったのか?
教育上『駄目出しは疲れる』からなんだろうと思った。
その時々の彼女の欲求を尽く受け入れた方が両親は楽だった?……。
泣く顔より笑ってる彼女の方が扱い易かったからだろう。彼女の我の強さ半端ないし。
こんなのが親同伴でバイト先に『ブラックだ!』とネジ込むパターンもよくあるのだとか……世も末だね?と言いつつ世の中は末であっても終わらないぞぉ……。
育ちの悪さを平気で社会の職場に持ち込む娘、それでよし!とするであろうおバカな親。二代で奏でるラプソディーってか?……。
何~んも自己疑問のないこの娘を見てると……近所のはらっぱに住み着いた、何時噛み付いて来るか分からない獰猛極まりないブチの野犬を思い出したのだった……。