天空海闊

雨の情景

川辺の向こうにも生活がある

昔からの葦が茂る川辺
雨粒の波紋に一艘の小舟が浮かぶ
後ろに工場の煙突が不釣合いに立つ

やがて雨足が強くなり川面が煙ってくると
それまでみえていた工場もかすんできた
猟師が急いで網を引きあげると
小舟はゆったりと動き出し
しずかに視界から消えてゆく

こうして雨音だけの静寂の世界に身を置くと
人生の機微にこころが打ち震える
互いに音も立てずに消える存在だとしても
雨の彼方の彼岸の地では悔やむ事はない

川辺の向こうにも生活がある




父親が開かれた窓から、
ゆったりと雨を眺めている。
雨の日は時々家にいた。
最初遠くを眺め、それから
家の軒先から滴る雫をみつめる。
時々口笛を吹きながら見る。
機嫌の良いしるしであり、
そんな日の雨と口笛が
とても好きだった。
今でもゆっったりと雨を楽しむのは
父の残した財産である。

*雨は不変のものと変化してゆくものが
 同一の空間にあることを感じさせてくれます。

(豪雨による被災地の方にお見舞い申し上げます。)

コメント一覧

オリーブ
こんにちは~

*一般的な意味での人間が生きる目的、意味。
*オリーブさんご自身にとっての人生の目的、意味。

↑辻風さんは私の心を読んでないですか~?
時々そう思うことがあります。
嬉しいやら、恐ろしいやら(笑)
辻風
匿名さん、コメントありがとう御座います。
ここだけのHNでも構いませんよ。
一向に気になりません。

いつか心が晴れると良いですね。
今回は匿名で
>雨音だけの静寂の世界に身を置く

「雨の音に癒されるのよ」と静かに笑った古い友人を思い出します。今、私の心はどしゃ降りですが、いろいろな意味を込めて感謝申し上げます。
辻風
オリーブさんは既にお気づきかも知れません。

*一般的な意味での人間が生きる目的、意味。
*オリーブさんご自身にとっての人生の目的、意味。

いかがでしょう?
オリーブ
本当に詩っていいですね。辻風さんのブログでそう感じるようになりました。実は私の母は詩が好きでいろいろ作っていたようですが、私はその母には似なかったようです。
辻風
その答えは多分各々が自分で見つけないと
いけないのかも知れません。

自然の生き物たちは自分の務めを淡々と果たしますけれど・・・

本当は心のどこかで知っていたりして、^^
そんな気もします。
goya
互いに音も立てずに消える存在だとしても・・・

そうですね、はかないものです。
私がボランティアを始めたのは、
多分、そのはかなさに無常を感じたからです。
だけど、
何のために、人は生きているのでしょうか。
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