ロスト
人が進化の頂点にいるなんて 嘘だろう 外からは見えないが 其の実 常に企み 恐竜よりもでかい口で 貪ることしか考えず 魂は 不満と損得に病み 気高さも 美...
川沿い
山村の豊かな 川の流れが 淀み(よどみ)となり 浅瀬で波打ち下る光景を 季節の残像のように ぼんやり追っていたが 粗末な身なりの女がひとり 川沿いの道を 大きく重そ...
錯覚
ある日 見慣れた海が 初めて観たように輝いた 道端に咲いた小さな花を 摘んで帰ろうとしたり 仕事帰りの夜道の空 満天の星を見上げ ヨオシ 明日もがんばるぞと 声を...
手
ぐいと 月を押すように 手をかざすが 光はなく 豪華な指輪も 色褪せ 小鳥を呼んでも とまらず 少し触れただけで 男(ひと)を惑わした魔法も すでに滅んだ だ...
王の庭で
ある小さな国でのこと お后が亡くなり 王さまの悲しみが癒えず ついに床に臥してしまいました そこで大臣たちは一計を案じ 庭を新しくすることにしました お后が好きだった花...
月
わたしは今 あなたを 自分の命のように おもっています すべてを 捧げても よいほど あなたも そうでしょう? ...
彼岸&飛翔
子どもたちが家に泊り 翌朝 『父さん・・ 父さんの知った人で 器具で声を出している人いる』 「知ってるよ Sさん」 『あ、そう・』 それで話は終わり? (実...