お山の神様の隣の山にも神様をお祀りをしていた祠があり、従兄弟に聞くと恵比寿様を祀っていたという。昔の人はバスで遠くから来て二つあったお宮に巡礼していたみたいだ。
母は隣の山にもお宮があったのが気になっていて、こちらのお宮ほど大きくなかったけれど確かに小さなお宮があったから小さな祠をあげたいと言う。
お山の神様の地を掃除して木々を除けると昔の参道が出てきて、その参道が国道から村に繋がっていている事は確認した。龍馬脱藩の道であり昔の村から国道は出る近道だ。
その一番高いところから山の神様の地へ上がる石段があり、祠をたてたお宮に行けることもわかった。その石段がある参道と逆方向に上がってみると木々に隠された道があって、そこの道が隣の山へ繋がる参道になっていた。つまり、木で覆われていたけれど参道は国道から村への道とお山の神様の地から隣山の恵比寿様の地への参道に十字に分かれていた。
母が行けるかわからないけど行ってみようと言うので探検家になった気分で木々を掻き分けてその道を行くことにした。すると、途中からしっかりと昔の人が踏み固めた参道が出てきて、人の手が入っていないとは思えないくらい美しく木漏れ日がさしこんでキラキラしていて隣山の頂上まで繋がっていた。