ここでもう一つの、私の相談のケースから、実例をご紹介しましょう。
「いま裁判中の娘のことでご相談に・・」
初老の紳士が肩を落としながら、こんな話を始めたのです。
「もともと私の娘は看護師をしていましたが、ある病院に勤めている時、入院中の男と仲良くなってしまいました。
・・・ところが、この男が実は暴力団員だったのです。
そして娘はだんだんと深みにはまり、気づいたときには娘は病院の麻薬を盗んでしまったのです。
病院の麻薬を盗んだことで警察のヤッカイになって・・・。この娘は末っ子で私が一番可愛くてならない娘なのです。
私自身にとっても一番の悩みですが、どうやったらこの娘を助けることができるでしょうか」
わたしはこの紳士の家系図を見ながら言いました。
「あなたは自分たちの血の関わり合いを調べたことがありますか?」
「いいえ、今まで一度もありません」
「あなた方は現在、一見したところ比較的健全な家庭生活をしているように見えますけれど、
あなたがたの子供の生まれる配列からみて、水子がありますね」
と思いきりつっこんで質問しますと、
「はい、4人の水子があります」
との答え。
「その水子はどの子とどの子の間ですか」
私の前で、ついに紳士は涙をポトリと落とすと、うつむきながら言うのです。
「いま刑務所に入っている娘の前に二人、娘の下に二人堕しています・・・」
その娘が水子のサンドイッチになっていることがはっきりしました。
「あなたはこれでも罪を犯しているという自覚を持たないのですか」
「・・・・・・」
「あなたが堕ろせと言ったんですか」
「・・・・・私が女房に言いました」
「それだね!」
私はズバリ断言しました。紳士の顔が、みるみる青ざめていくのがわかりました。
戦後の混乱の中で自然の要求によって芽生えた胎児を4人も殺していながら、
悔いもしなければなんの供養もしていない。それが根本的な原因でした。
このケースの場合、この男性の奥さんには、直接の障害はありませんでした。
しかし「サンドイッチ」となっている末娘に、4つの水子の霊がまとわりついてしまいました。
こうして転落の道をたどったのです。
その結果、母親も、そして父親も、外見とは裏腹に、肩身を狭くし、心労を重ねて生きなくてはならず、
その苦しみの真の原因がどこにあるかもわからず、ただ自分が救われたいばかりに私のもとを訪ねたのでした。
この紳士は、私の話に深くうなずき、因縁の怖ろしさを噛みしめて、さっそく水子の供養を誓ってくれましたので、
きっと手厚くまつったことと思います。
その結果については、まだお聞きする機会を得ておりませんが、
娘さんは必ず更生して幸せになるだろうと、私は信じております。
救いを呼ぶ水子霊
佐藤玄明 著
「いま裁判中の娘のことでご相談に・・」
初老の紳士が肩を落としながら、こんな話を始めたのです。
「もともと私の娘は看護師をしていましたが、ある病院に勤めている時、入院中の男と仲良くなってしまいました。
・・・ところが、この男が実は暴力団員だったのです。
そして娘はだんだんと深みにはまり、気づいたときには娘は病院の麻薬を盗んでしまったのです。
病院の麻薬を盗んだことで警察のヤッカイになって・・・。この娘は末っ子で私が一番可愛くてならない娘なのです。
私自身にとっても一番の悩みですが、どうやったらこの娘を助けることができるでしょうか」
わたしはこの紳士の家系図を見ながら言いました。
「あなたは自分たちの血の関わり合いを調べたことがありますか?」
「いいえ、今まで一度もありません」
「あなた方は現在、一見したところ比較的健全な家庭生活をしているように見えますけれど、
あなたがたの子供の生まれる配列からみて、水子がありますね」
と思いきりつっこんで質問しますと、
「はい、4人の水子があります」
との答え。
「その水子はどの子とどの子の間ですか」
私の前で、ついに紳士は涙をポトリと落とすと、うつむきながら言うのです。
「いま刑務所に入っている娘の前に二人、娘の下に二人堕しています・・・」
その娘が水子のサンドイッチになっていることがはっきりしました。
「あなたはこれでも罪を犯しているという自覚を持たないのですか」
「・・・・・・」
「あなたが堕ろせと言ったんですか」
「・・・・・私が女房に言いました」
「それだね!」
私はズバリ断言しました。紳士の顔が、みるみる青ざめていくのがわかりました。
戦後の混乱の中で自然の要求によって芽生えた胎児を4人も殺していながら、
悔いもしなければなんの供養もしていない。それが根本的な原因でした。
このケースの場合、この男性の奥さんには、直接の障害はありませんでした。
しかし「サンドイッチ」となっている末娘に、4つの水子の霊がまとわりついてしまいました。
こうして転落の道をたどったのです。
その結果、母親も、そして父親も、外見とは裏腹に、肩身を狭くし、心労を重ねて生きなくてはならず、
その苦しみの真の原因がどこにあるかもわからず、ただ自分が救われたいばかりに私のもとを訪ねたのでした。
この紳士は、私の話に深くうなずき、因縁の怖ろしさを噛みしめて、さっそく水子の供養を誓ってくれましたので、
きっと手厚くまつったことと思います。
その結果については、まだお聞きする機会を得ておりませんが、
娘さんは必ず更生して幸せになるだろうと、私は信じております。
救いを呼ぶ水子霊
佐藤玄明 著