雄一郎の半生
いよいよ、ある会社の社員寮に
管理人として、勤務したのだが
前任者からの業務の引き継ぎや
寮生の対応、清掃、パートさんの
管理、食事の提供などなど
多岐にわたる業務を未経験で
熟さなくてはならない。
ま、言ってはなんだけど、当時の
パートさんは、私たちが買い出しに
出かけてから帰ってくると、
図書室で寮生とたばこを吹かして
いるような人で、直ぐに辞めて
いただいた。
前任者も次に行くところが、決まらない
こともあり、なかなか出ようとはしない。
私たちも、トランク2つのみで来ている
ので、洗濯もままならない。
食事も前任者の食事では、納得が
いかない。
清掃も、4階までの各階のトイレや
大浴場の清掃を朝4時起きで
熟さなくてはならない。時間に追われ
ながら、日が暮れていく。
0時に就寝し、4時には起きる日々が
続いていた。毎日4時間ほどの睡眠で
事務処理を覚えるまでに2ヶ月を
要するほど、複雑な処理をしなければ
ならなかった。加えて、月一で地区の
運営会議にも出席しなければならない。
近くにある社員食堂のヘルプにも
出なければならない。こんなにきついとは
思わなかった。どうりで、管理人が
コロコロと変わっている訳が分った。
妻も嫌気が差し、この時はまだ
借りていた、アパートに車で帰ろうと
したらしい。
しかし、後戻りは出来ない。何とかして
業務を熟していかなければと、奮闘する。
1ヶ月ほどして、前任者は子供一人を
連れて出て行くことになる。
二人で合計体重を、20Kg減らしながら
この後、社員寮の管理人と
なるのだが、いろんな事が起きる。
次回につづく