ホイッスルバード あいざわぶん

普通じゃない人の生活もある

もしも私が食事制限が絶対に必要な糖尿病と高血圧性

慢性腎症になったら、精神的にどうしても困る。

「旅に出られぬ身体になった烙印」を捺されたに等しい

生活が待っているからだ。

 

食堂で出される料理は糖質・塩分のどちらも無視された

ものであり、宿で出される料理も全く同じ。それに加え、

食べきれぬほどの量が提供されるからだ。

一泊ならやり過ごせるが、二泊・三泊ともなると気持ちが

折れるに決まっている。

残すしか手段がないからで、そして残すのは、人として

恥ずかしいと思うからだ。

 

では、例えば定食屋さんに入って注文する際、「塩分と

糖分を控え目にして下さい」と、私は言えない。

そりゃそうでしょ!その店の自慢の味なんだから。

だから残すしかないのだが、残せば店は不満でしょ。

(なんだ、格好つけやがって!)と思われるかも・・・。

 

例えば民宿に予約する際、「塩分と糖分の制限が必要

なので宜しくご配慮を・・・」と、私は言えない。

そんなことを言ったら、単なる客の我儘だからである。

 

だから私は、錠剤さえ服めば普通と同じ程度の食事が

できる状態に持って行くしかないので頑張ってるのだ。

お金で何でも注文できる人ではないから・・・ね。

 

そういう微妙な立場に立たされている私に飛び込んで

きたニュースで、益々深い溜息が出た。

喫茶店でフルーツパフェを注文したお客が、撮影して

一口も食べずに帰ってしまったのだそうな。

店側は慌てて(ゴミでも・・・)と思って調べたが、そんな

ことが原因ではなさそうで、がっかり度をSNSで発信。

その気持ちが多くの同情を集めたのは当然のことだ。

 

論外な客の行動だが、病気が原因で残す人も様々な

憶測がされるだろうから、とてもやりきれない。

外食の際、一々店側に「私は病気なので・・・」と言い訳

しなければ(なんだ、あいつ!)と憶測されるのだ。

 

障害者女性「市川沙央」君(43歳)が芥川賞に輝いた。

彼女は受賞作の中で主人公に呟かせている。

 

  妊娠と中絶がしてみたい。普通の人間の

  女の様に子供を宿して中絶するのが私の

  夢です。

 

「中絶までも普通の人間(女性)の行い」と言っている。

なんという強烈な皮肉であるか。普通の人は突きつけら

れているのである。

 

普通の身体だから食事制限が求められず、食べられる。

いま、その瀬戸際に居る私は、沙央君の言いたいことが

とてもよく理解できるのだ。

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