ホイッスルバード あいざわぶん

小旅島旅独り旅 伊吹島編(その2)

伊吹島の最盛期は昭和31年で、奇しくも私の
生まれた年である。
あの小さな島に、しかも坂ばかりの島に4500
人も住んでいたのだから、さぞや窮屈な暮らし
だったことだろう。

島が賑わったのは「いりこ漁」のお陰である。
今では「顆粒だしの基」が主流の感があるけど、
島の人たちは今でもいりこで出汁を取るそうな。

島の周囲は切り立った崖が多く、少しでも開け
ている土地にはいりこ工場が建っている。
その一つを通過しようとしたら、沖から小型船が
工場の船着き場に寄ってくるのが見えた。
急いで引き返し、写真を撮らせて頂いた。

船が着くと、太いホースを船底に差し込む。
獲れたてのカタクチ鰯をホースで吸い取るのだ。



吸い取られた鰯は洗われて次の工程に進む。
洗うと同時に不純物として吐き出された鯔(ボラ)。
60cmはある鯔と、間違えて不純物にされた鰯も
籠の中に見える。大きさは10~11cmぐらいか。
そして透明色の水母もゴボッと大きな音を立てて
籠に落ちてくる。
音が大きいので思わず後ずさりするほどだ。
すると一人の爺かやってきて、工場の女性陣に
に挨拶をし、鰯だけを持って行った。
釣り竿を持っているので、餌にするのだろう。







工場の中で働いているのは殆どが女性で、老い
も若きもカラフルな軽い私服を身に着けている。
邪魔になるのでは・・・と考えて、その後の工程を
観たいとは言えなかったのだが、一番見応えの
ある場面を観られたと思うので満足である。

伊吹島訪問では、いりこの工場見学をすること、
飲料水の歴史を知ること、伊吹島独特の方言に
触れること、島猫に触れること、の四つが目的で、
先ずは一つ目を達成した。

で、いりこと言えば猫、なのだが、これは大きく話
が違って残念だった。
そりゃ猫は何匹も見たけど、話では「港の待合室
に愛想のいいお出迎え猫が居る」となっている。
だけど、そんなの居なかったし、出遭う猫、出遭う
猫が警戒心が強くて触らせてくれないのだった。
だから現在は、「伊吹島は猫の島」と言えないな。

ついでだから、猫といりこ(煮干し)に関して書こう。
猫は魚が大好き。
だから、煮干しも大好き、と想うでしょ。
ところが、ところが、猫は煮干しよりもキャットフード
の方が断然好きなのだ。
煮干しも仕方なく食べるには食べるが、器用に頭
を残すのだ。
どうやら苦いのが嫌いらしい。
野良にゃんこのくせに、生意気な奴が多いのだ。

小旅島旅独り旅・伊吹島編(2)は、これで終了。
次回は「飲料水の歴史」と、「島の方言」に就いて
書くことにする。
番外編も併せてパート4まで書く予定です。
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