【ニホンイシガメ減少の主な原因】
🔴農薬汚染 除草剤
除草剤は植物以外にも有害
除草剤は雑草を枯らすための農薬ですが、不要な雑草だけを枯らす薬剤は原理的に不可能で、人間にとっては雑草でも生態系の維持に役立っていることもあります。ですから標的が雑草とはいえ、除草剤をむやみに乱用すると生態系の維持が破綻する可能性があります。また植物と動物は違う進化の道をたどってきましたが、元は同じ生命で、使っている生理化学物質も同じもの、類似のものがたくさんありますから、除草剤の毒性は、植物だけでなく、哺乳類や人間にも影響が及ぶ場合があります。
🔴除草剤パラコート
ミトコンドリア機能障害による毒性が強い除草剤パラコートは,ヒトでパーキンソン病様の症状を起こした合成化学物質MPTPとよく似た化学構造をもち,動物実験でもパーキンソン病と同じ症状をおこすことが報告されています。MPTPは、合成麻薬に混入していた神経毒で、麻薬中毒者がMPTPの混じった麻薬を使用した後、パーキンソン症状を起こした事件がありました。疫学研究からも、パーキンソン病はパラコート、殺虫剤ロテノンなどの農薬曝露との関係が強く疑われています。フランス政府はその因果関係を公認して,2012年にパーキンソン病を農業従事者の職業病と認定しています。ロテノンは神経毒性が高く、2006年に農薬登録を失効しました。