チッチッチッ 鳥がさえずる 朝７時
鍋に豆腐 おでん仕込んで 煮ています
昨夜 おつかい 頼まれた
老婆と言う名の お母さん
駄賃に貰った 壱万円
すぎる駄賃 三度断り
懐しまい ほんの少し
後ろめたさを おでんに替えて
煮込んで届ける 親孝行大作戦
七時オープン 近所のスーパー
おでん 仕入れて ついでにビール
月曜日は休肝日 しかし 振替休日
ならば しかたなし 休肝日中断
メリハリ効かせて 臨機応変
あっつい土鍋 タオルに包み
おでん 両手に 慎重に
ゆっくり すすむ 実家へ向う
そこのけ そこのけ おでんが通る
打つかり かかると あっちぃ～ぞ
持ってる 鍵で 実家にあがる
同居の兄貴は出かけてる
朝九時すぎ もぬけの殻？
抜き足差し足 寝室覗けば
ベッドの中に 横たわる老婆
もっしや!!!
いやいや 寝息 たてている
そっと一筆 メモ残し
静かに立ち去る 孝行息子
ほめろよっ
まずは 娘が起きてきた
無言で鍋を 突いてる
“コンニャクないの？”
底に沈んで いるのでは？
さて 最終日
張り切ってぇ〜っ どぉぞぉ〜
