1981年生まれ、タカハシヨーコ

半生を振り返りました。名前は全て仮名です。
男尊女卑、毒親、毒母、シックマザー、不登校

小さな恋

2022-01-01 19:03:00 | 日記

幼稚園の頃、大好きな人がいた。


私より背が高い。

私より力が強くて、腕も太い。

私より色々なことを知っている。

何かに集中すると鼻息が荒くなる。

手の込んだ、ファンタジックな嘘をつく。

誰に対しても優しくて、正義感が強い。

くしゃっと笑う笑顔がかわいい。

そんなミユキちゃんが大好きだった。


幼馴染のミユキちゃんと一緒にいると、時間を忘れるほど楽しかった。

二人の世界を分つ、夕方5時の鐘が恨めしかった。


幼稚園の年長になり、

彼女と、もう一人の友達ヒロコちゃんが、

なにやらコソコソと話す事が多くなっていた。

私には教えたくない二人の秘密があるようだった。


後からわかったのは、

二人は幼稚園のある男の子にラブレターを書いていたのだ。


衝撃だった。

その頃の私は、男の子にいじめられていたこともあり、

異性を好きになるという感覚が全く理解できなかった。

ミユキちゃんがヒロコちゃんと仲良くしてるだけでも、嫉妬心で勝手に傷ついていたのに、

男の子が好きだなんて。

ショックで目の前が真っ白になった。


楽しそうにラブレターにセロテープで匂い玉を貼り付けている、

ミユキちゃんとヒロコちゃんがとても大人に見えた。


その横で、手持ち無沙汰な私は匂い玉の香りを嗅いでいた。


なんともいえない臭いがして、胸がキリキリと痛んだ。




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