タイ女性との結婚

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タイ女性との結婚18文盲

2012-03-20 17:53:40 | 日記

m氏の言った・・中国でここの仕事をする会社興したい・・社長に私の提案を話してもらえないですか?・・僕は中国にはたくさんのコネもあるし、友人もいますから・・僕を中国での営業仕事に使ってほしい・・


という言葉を俺は聞いて、彼の今の哀れな状態を考えるに、その仕事をさせてあげるほうが彼には、ベターだと思われた

 しかし、うちのような小さな会社が中国に進出したとしても、資金力もない、人材もいない

長年ここで俺は勤めているから、社内の事情して思うに、もし、この会社が中国に進出したとしたら、すべての社運をかけて、一か八かの冒険するつもりで行動しなければならず、そんな冒険する気力は七十歳近い、うちの社長にはないと思われるし、もし、仮に中国に会社を興したとして、中国では中国語のわかるm氏にすべて一任せざるを得ない状態になってしまうだろう・・

彼は、すでに中国において事業を失敗した経歴もあり、いくら人のよい社長でも、社運をかけて、たくさんの資金を投資してまで、彼を信用して中国で新事業を立ち上げることはないように思った

たぶん、社長一代で日本で細々と今の仕事をしていくだろう・・

彼に俺はこう答えた

 たぶん、社長は中国で新事業をするという事しないと思いますよ

 社長も年齢も年齢だし、後継ぎもこの会社にいないですから、社長一代で終わってしまう会社なので、社運をかけて資金を集めて・・

 冒険するような中国での会社立ち上げはしないですね 

たぶん社長に話すだけ無駄だと思いますよ と俺は言った

すると、m氏はこだまのような速さで俺の話に返事をしてきた


だったら、oさんが社長になったら良いでないですか?

この会社に後取りない以上、社内の中から誰かこの会社を引き継ぐ人がいなければなりませんし・・ と彼は言う

僕が・・と そう言われて絶句したが・・


そういう危うい話を会社の中で、しかも昼休みの休憩中に話ことが不安なことでもあった 誰かが聞き耳を立てて聴いているかわからない

俺は話をそらす意味でも、話題を別のものにする必要を感じて、こう答えた


僕は、そんな器の人間ではありません 社長のように会社をまとめる器量もないですからね 

それに、僕は中国人が嫌いです とそう答えた

それを聞いて、m氏は笑いだして、こう答えた

僕だって中国人は嫌いです でも、おかしなことにoさんも私も中国人女性と結婚している・・それは現実ですよね?

中国人、中国が嫌いだと口に言ったとしても、どこかで、我々は中国人たちに依存しなければ、生きていけない

今の日本の商品、加工も輸入も何から何まで、中国とは何らかの関わりがあるのです 

日本で安い品物を買えるのも中国で中国人たちが、安い賃金で加工してくれているからですよ 

みな中国人は嫌い 口々に日本人は言いながらも、本当の意味で中国人を排除できない、否定できない

我々日本人は、それだけ中国に依存していかなければ、精神的にも現実の生活上でも生きていけない状態にまで落ちぶれしまっているのですよ

  
 oさんもそうでしょう?


以前、oさんが私に打ち明けてくれた話ですが、oさんは今の中国人妻とsexするまでは、童貞だったんでしょう?

初めて、sexする相手が今の中国妻だと聞きましたが・・

sexしてくれる女性も日本にはいない・・ 中国女性だから、貴方のような身持ちの固い男を相手にしてくれるのですよ 彼は言った


確かにそうであった 今までの、人生で女性と付き合う事もなく、モテル男としての気質を備わっていない俺は、今の中国人妻と三十半ばで初めて筆おろしした状態であった 

そういう意味では、中国女性との結婚とはありがたい存在ではあったが・・

表現として三十半ばで筆おろしの男を柔らかい上手な表現として、身持ちの固い男 と彼は言ってくれたとしても・・


 ここで、中国人妻とsexするまでは、貴方は童貞だったんでしょう?


 という話題を出すことに対して、彼に不快な物を感じ反発する意味で、こう答えた



そんな私のプライベートな話と中国の依存の話と並べて話すのは私としては不快ですよ 

とにかく、社長も中国人が嫌いです というより、言葉のわからない中国人・・

そんな理由で仕事のできない中国人に対しては、うちの社長はボランティア的な感覚で彼女に対して、好意、友愛の気持ちで接し、うちで仕事をさせてあげているという心の持ちようで中国人に接していっています

 中国人女性たちもそんな社長に対して、とても感謝して、尊敬して真面目にここで働こうという姿勢でうちで働いてくれています

しかし、社長が本当の意味で嫌いなのは、我々のような中国にオンブ抱っこしなければ、生きていけていない日本男子のことです

 

お前ら日本人か?日本人やったら日本人と結婚せい!ややこしい国の女、日本に連れてきてからに・・


以前、社長は俺が中国女性と結婚するときにそう言いました

 たぶん、mさんも俺と同じような目線で社長に見られていると思います

そういう意味合いからして、社長のmさんへの評価は日本人的にも人間としての評価としも落第点を与えられていると思いますよ

 だから、中国での新事業を貴方を通して行われると言うことは、とてもあなたでは社長の気持ちとしては任せられないと思いますがね と俺は、半端不快な気持ちをあらわに出し、m氏に吐き捨てるように、そう語った

そんな俺の挑発的な言葉にも、m氏は・・彼は冷厳にこう言い放った

 社長だって、善意の気持ちで中国女性を雇っていると言っても、結局、日本人のパートが次々と辞めていき、やむなく、中国人女性を使わざるを得なかった、本音からしたらそういう事でしょう? 

だれが好き好んで、言葉の伝わらない、そんなことで仕事に支障をきたすような恐れのある中国人たちを使う必要がありますか?

日本人が来ないから、労働力がなくなるから彼らを使わざるをえない・・

 そういう意味からしたら、皆、中国人にオンブに抱っこされている みな同じムジナです いい意味で同士ですよ 

社長が仮に我々に対して、お前ら日本人なのか?と問うとしたら、私も社長に聞きたい

 貴方も本当に日本人なのか?

いや、本当に日本のアイデンティを持ち合わせているなら、こんなにも貴方がたは中国人におんぶ抱っこの経営姿勢であることが、国辱だと思わないのか?

社長は我々を日本人の恥として見られているなら、逆に貴方方の中国人依存の経営姿勢を恥じるべきでしょう?

私は少なくとも、中国人の妻を持っていますが、彼女におんぶ抱っこされていると思いません 

社長にお前ら日本人か?と言われるほどの恥とも思いません 

私は彼女、中国人たちをうまく利用して活用して生きていこうとするだけです それだけの知恵もあります

 日本人としてのプライドもあります 

確かに、今はこんなアホな小さな中国人どもばかり集めて、ちんけな仕事している会社に私は臨時で雇われていますが、いずれ、僕はどこかで再び中国で自分のノウハウを生かした仕事に復職するつもりです 

それまでは、今の妻のパート代と僕のアルバイト収入で生活していきますが、妻も僕の事を支援してくれていますし・・

彼ら中国人を利用して生きていく・・そのことで成功し、自分の事業、業績を後世に残していく・・

それこそ、日本人としての彼らとの違い?日本人として生まれた証の証明になっていくと僕は思いますね oさんもそう思いませんか?と彼は、一気に僕に言った

俺はその言葉を聞き 少し考えて、こう答えた

結局はmさんも中国人たちにオンブに抱っこされていることには変わらないのではないですか?

そのことを、逆に言い換えて、彼らを利用する とうまく言葉をすり替えているようですが・・

僕には、貴方も僕も社長も、言葉をうまくすり替えているだけで、みな中国人なしでは生きていけない同じ日本人にしか思えないのですが・・

少なくとも、僕はその事実を認めますが・・mさんはそのことを認めませんか?

私は認めません と誇らしげに、リンとした表情で彼は俺に答えた そして、ちょっと苦笑しながら俺の顔見ながら、 こうも言った

あなたのように、アノ方まで、妻に弱っちい事はないですからね 私はアノの方では彼女を男として十分支配しています 

彼女はアノ方では私の奴隷ようなものです と笑い語った

その答えを聞き、残念な気持ちを彼に対して抱きながら俺はこう言った


貴方はたぶん失敗するでしょう 

女性に対して、それだけの支配する気持ち、僕からしたら不純な支配する気持ち 

中国人であっても、日本人であっても、そんな気持ちを土台にした男女の関係と言うのはいつか終わってしまうと僕は思います 

それが終わった時、最後に残っていく心とは、彼女ら中国人を利用する 日本人としての知恵、日本人としてのプライド・・

そんな日本人として、中国人を見下した性質だけしか貴方の中に残ってはいかないでしょう 

その時、貴方の中国人の奥さん、貴女が利用し行くと言った中国人たちが貴方をどう思い、どう感じるか?

僕には貴方がその気持ちの驕りから、しっぺ返しを受け、ころがる石のようにドンドンと落ちていくような気がしてきます・・ 

そう彼に言うと、なぜだか妙な悲しさと寂しさが入り混じった複雑な心境で、声かうわついて、ちよっと涙声になりながら俺は彼に続けて、こう言った 

 どうか、お元気で・・・これからもがんばって生きていってください と俺は彼に言った


それから、半月ほどして彼はうちの会社を辞めていった・・

 辞めた理由として、中国での彼のプランを認めてくれた会社に就職するためだという話を聞いた・・



それから、彼の話題は俺の周りから絶えた・・・  しかし・・・それから二年ほどして、彼に纏わる・・あの悲しい事件が起こった


続く

タイ女性との結婚17 春巻き

2012-03-17 19:57:53 | 日記

彼、m氏はこう言った

中国人と商売するときは、日本人のように、信用とか責任とか、そんな部分と言うものを求めるのは難しいものですね

 彼らは嘘をつくのが上手ですからね 彼らは、日本語で大丈夫大丈夫 とよく言いますが、本当の意味で日本的な信用とか責任感を持って、大丈夫です という言葉を言ったりはしていないのです

 僕も何年も中国で仕事をして、いろんな、日本的な信用とか、責任感というものを失った感覚の彼らの仕事上のトラブルとかによく出合いました 

そのたびに、僕は日本企業と彼ら中国企業との板挟みに会って、随分と苦労させられましたよ

僕は以前は、ある有名な中国相手の商社に僕は勤めていて、その仕事上の僕のノウハウを生かして、そこから独立して、日本人企業向けの中国企業を紹介斡旋する会社を設立したんですが、やはり、紹介する中国企業のトラブルが続出して、そんな信用問題から、取引先の日本企業に賠償金とか払わなければならない事態になってしまい、僕の会社は倒産してしまい、今ここにいたり というところなんですせどね と彼は苦笑しながらそう言った  しかし・・と彼は続けて言った

僕はまだ、これで終わったわけではありません チャンスがあれば、お金さえあれば、また、中国で仕事してみたいですけれどね・・・ と

そう、うちの会社で、臨時アルバイトをしている元エリート商社マンのm氏は言う 彼のこんな話を聞いていると、彼の今のこんな状態・・

こんなブラッチック部品を作っている小さな工場で、時給八百円くらいの仕事・・

しかも、俺から彼の仕事ぶりを見ても、とても、彼は上手に仕事をこなせるようではなくて、それに歳のせいか仕事ぶりは、かれの中国での華々しい履歴から見比べても、とても不器用でお粗末なものを感じざるを得なかったりする 

それに、彼は、とても目も悪く、老眼鏡をかけて仕事していても、細かいうちの仕事の検品作業ができなかったりした 

そんな彼の悪い目を通して、彼の作業した部品の中から、不良品が発見されると、うちの会社の若年のアルバイト作業員から彼が、ボロカスに叱られたりする光景を何度か見たことがある 

彼はそのたびに苦笑し、メガネがあわないからとか、僕は営業向きであって、現場作業はできないみたいだ とか言って言い訳していた 

俺は彼のそんな作業トラブルとか見ていても、どこか年齢も五十近くで似通っており、同じ中国人女性を妻にして、ある意味、お互いに中国通であるということで、それに彼の以前の中国での輝かしい仕事上での履歴経歴?を尊重するあまり、彼に対してそんな作業トラブルを起こしたとしても、職務上、現場主任の立場として、彼を叱りつけるのが当然のことなのだが・・・そんな、彼との共有する事柄からか、あまり彼に対しては厳しいことは言えなかったりした

 むしろ、こういう彼の今の状態に落ちぶれてしまった事に対する同情の気持ちから、彼に対しては理解者としての目線で、彼の仕事ぶりを大目にみていた部分があった 

そんな俺の気分みたいなものを知ってか感じてか 彼はこの会社の中で俺以外の人間には心を開いた話とかしなかったが、俺にはなんでも自分の過去の仕事経歴考えみたいなものを伝えてくれたりした

 彼は仕事中は若年のアルバイトに幾度も叱りつけられて仕事させられ、元気がない感じだったが、昼休みになると、自慢の中国人妻の愛妻弁当を持って、俺のところにツカツカと寄り添い、一緒に昼食を共にしながら、中国での過去の輝かしいエリート商社マンだった挿話話を俺に目を輝かしながら語ってくれるのであった 

俺は彼に聞いてみた

中国では日本企業とか新たに現地で会社を興す場合、その現場の地方の行政府とかに許可とかもらわなければならないみたいですが、そんな取引業務もmさんはなさってたんですか?

彼は自慢げにこう言う

そうですよ 僕はやってましたね その許可をえるには、やはり、その行政府の長官とかに賄賂を贈ることが常でしたね 

彼ら中国人の役人ども、は なんでも、最初はゴネルんですよ この我々の土地には貴方方の仕事の内容には似合わない土地柄だとか、廃棄物の問題で、君の会社の新しい業務は許可できないとか・・彼ら役人はこんなこと言ってゴネルんですよ

でも、彼らに日本のお酒です とお酒の箱の中に日本円で何百万とお金をしのばせておいて、また、あらためて、あくる日に行政府の役人に会いに行くと、彼ら態度は昨日とは打って変って、日本と中国の友好のために、この土地で日本の先生たち仕事する事を歓迎します と 

たどたどしい日本語をどこからか教え込まれてきたのか、そう言いながら、ニコニコして我々を迎えてくれたりしますよ・・・

 それほど、中国では他国のものが新事業を興すには賄賂というものが大事になってくるんですよ

俺はその話を聞いて尋ねてみる

賄賂ですか?共産圏の国に賄賂とは・・

何年か前、僕が今の妻と結婚した時に中国人の紹介者の人が言ってたんだけれど、その当時、中国で多額の賄賂をもらっていた行政官がその罪で死刑にされたと聞いたことがあるんですが、今でも中国では、賄賂は絶えないものですか?

  あたりまえです! 

と 目を大きく見開きながらm氏は答えた 

さも、こいつは世間知らずな奴だと 言わんばかりの表情で彼は俺を見ながら、続けてこう言った

賄賂というものは中国で無くなるという事はありません 

中国ではすべての物事を行う事が賄賂、贈り物、物をあげる ということで成り立っている社会です 

共産主義であっても、人種としての中国的DNA、賄賂をもらう 与える という基本的な思考回路というものは決して失われていくことはないでしょうね 

まして、共産主義、社会主義という中国社会生活する人たち その時代にできた、その人たちの共産主義から培われた怠けた気質というものは、その長年の生活習慣はちょっとそっちょじゃ彼らの気質として無くなっていかないものであったりするんです。

だから、僕たち中国で働く日本の商社マンはそんな中国人の怠けた気質のせいで、ずい分と苦労させられましたよ。 

彼らに何百回と役中国の役所に我々は、仕事の文書を届けても、彼らは真剣に取り扱ってはくれません 

今日はもう役所は休みだ 私は疲れた 妻が家に早く帰って と言っている 君たちだけの役所ではない とか

 彼ら役所の人間のそういった言葉を発する怠けた姿勢というもの正して迅速に物事を動かすには、彼らに賄賂を贈るということしかないのです

 彼らは賄賂を貰った瞬間から、それまで怠けものだったものが、見違えるように迅速に物事を処理したりします 

時には残業して夜遅くまでかかってでも、賄賂を贈った我々の為に仕事をこなしてくれたりします 

だから、中国での物を動かす原理とはとても単純なものなんですよ 

  賄賂を送る 

これだけで、事が済みます と彼は熱く俺に説明するのだった


彼は、その説明を俺に言い終わると、あたりを見まわして、声をひそめ、俺にこう言ってきた


 これは一つ提案なんですが・・・


と彼の言葉がどんどんと小さくなっていく・・そして、こう俺に言った

お宅の会社が僕に資金提供してくれば・・

現地の中国企業の何軒かにここの仕事を委託して、もっとこの会社も今よりも利益のある作業と言うものが可能だと思うんですがね・・・

 
oさんからひとつ、社長に私の提案を話してもらえないですか?

僕は中国にはたくさんのコネもあるし、友人もいますから・・

こんな細かい口銭仕事のプラッチック部品の検品の仕事よりも・・・僕を中国での営業仕事・・・

そんな風にこの会社で使ってもらったら、かなり僕は有能だと思いますけれどね と 

そう、聞き取りにくい小声で俺に語りかけながら、彼の中国人妻の作ったとされる愛妻弁当のおかずの中から・・

分厚い春巻きを一つ取り出して・・

俺の食べている360円の赤弁の白いご飯の上にポンと乗せた・・

彼の愛妻弁当から、春巻きを俺に一つくれる事・・・

中国での長年の彼の営業での賄賂癖なのか、それとも俺に対する好意のしるしなのか・・・

そんな俺の弁当の白いご飯の上に乗っている彼の贈ってくれた分厚い春巻きを見つめながら・・・

彼の俺に頼んだ・・  言葉の意味をじっと俺は考えていた・・


続く

タイ女性との結婚16 蛇頭

2012-03-17 07:21:29 | 日記

バンコク行きの飛行機の中は平日の深夜のフライトのせいか、空席が多かった 

深夜の飛行機の中は、すでに照明が消されており、乗客は否応なしに寝なければならない状態だ

俺もすでに関空でワンカップを一本開け飲み干し、このフライトでもビールを二本ばかり開けてしまっている 

当然、酔いからくる睡魔もこんな深夜なのだから、こなければならないのだけれども、なんとなく、明りのないフライトの中で、ぼんやりと薄眼を開けて窓の外を眺めたりしていると、眠る様子にもならない・・

しかし、こんな深夜便の外の風景、かなりの高度で飛んでいるこのフライトの窓の外を眺めていても、どこまで見渡したとしても闇にすぎない 
俺は、そんな闇の風景を見続けると、この飛行機はずっと、同じ場所で静止しているのではないか?と錯覚してしまう事さえ感じたりする

しかし、そんな静止した闇の状態を変化を持たせるように外を見ると、そんな闇の中を時折青白い光が闇を照らしたりする 

パッパッと光るそんな青白い光、稲光のようだ こんな高度なフライトから見る稲光とは、それは我々を天から地上へと脅かしていたあの稲光とは、全然、様子の違うものであったりした

 すでに、そんな地上人を脅かしていた稲光というものは、この高度な上空をとんでいる我々の目線の先よりも下降線の場所で起こっている自然現象にしか見えないものであったりする。

そういう実感しか感じない、この飛行機の中で眺める稲光というものを冷厳に見ていると、すでにこの時点で我々は人間を超えて、もっと別のレベルに到達した次元の高い人間に変化してしまったのではないか?とそんな偉ぶった錯覚を感じるような気がさえしてくる・・

このタイ行きの二度目の国際線のフライト・・・そう、そういえば、以前にもこんな光景を見たことがあった...


俺が中国に行った時、ハルピンに行くフライトの外も闇の中で稲光が光っていた・・ そうだ、あの時と同じだ 

あの時も俺は中国人女性とお見合いし、結婚するために、夜のハルピンの上空の闇の外を見、青く光る稲光の光景を確かに見ていた・・・

 十二年も前の記憶だったのだが、あの光景を俺は今でも覚えている 上空から見るハルピン行くまでの土地を思い出す 

ところどころで砂漠ばかりがあって、こんな場所に砂漠があるのがその当時は不思議な印象として残っている 後でその話を中国の人に聞かせると、中国も開発のため自然破壊が進み、あちこちで砂漠化が進んでいるという話だった。

ハルピンの砂漠の空で闇の中で光る稲光・・その現象を今タイに行こうとする俺は見ている あのハルピンの時と同じように・・そう思うと、偶然の結果とはいえ、これは何かしらの啓示みたいなものなのかもしれないと思ったりもしないでもなかった

あの時、中国ハルピンでお見合いして、結婚して、六年あまり一緒に暮らし離婚した元妻は今ごろ、どうしているんだろう? そう思うと自然と今現在の自分の状況を思い、なぜだか涙がツタツタと頬をつたわって流れ落ちてくる

けっして、嫌いで別れたわけではなかった お互いに一緒に暮らしていても、希望のない生活であるならば、お互いの為の別れた方がよいという、そんな合意のうえでの離婚、別れであったりした。

だから、いまだに、彼女を思うと涙が出てくる・・ いまだに、彼女が好きだったりする ただ、彼女は俺の子供を作るのを望まなかった 

 それが、別れる理由だった・・

 しかし、今となれば彼女の事が好きなら、子供がいなくたって良かったような気がする 

彼女と離婚して、別れて、彼女との六年間の一緒に暮らした記憶と言うものが、とても自分の中で苦しみとなって後遺症のように残ってしまったことがあった

別れてから、すべてがうつろだったりした 生活に張り合いもなくなった、そんな事が遠因となって、前の仕事も身に入らず、やめてしまったこともあった

今やタイ女性とお見合いし、結婚するために、再び稲光の光る闇の中のフライトの中で俺はたたずむ

でも、そんな自分の今の状態を望んで、ここにいるわけではない 

元々、中国人女性が嫌いなわけでもない むしろ気質としては中国人女性の方が俺の性質には合っていると思ったりする

そういう思いからしたら、別に無理にタイ女性と結婚しなくたって・・・そんな思いが頭をよぎる・・

だったら、何もタイ女性でなくても、再び中国人女性と結婚するということも考えられるのではないか?そんな事を思うと、このフライトのすべてをオジャンにしてもよいのだ という気持ちもわいてくる

しかし、中国女性・・・俺の中で一つの中国人女性と結婚して離婚したある五十歳の男性の悲しい物語を思い出してしまう


俺は以前、あるプラッチック部品の製造をしている会社の主任の役職にあった 

小さな会社で、パートばかりいる製造業の会社だったんだけれど、日本人のパート女性が仕事の内容のこまやかさと給料の安さを嫌がって、次々と辞めていくので、自然と日本語のできない仕事を求める中国人女性ばかり集まる蛇頭のような秘密結社みたいな会社に慣れ果ててしまい、いつのまにか、この会社は中国人女性なしでは、会社として成立しないくらい労働力で頼らざるをえない会社であったりしたんだけれど、

そんな会社の中国人女性の一人に無職の六十前くらいの日本人の旦那がいて、その人がその中国人妻の伝手でアルバイトでうちの会社に一時期働きに来ている時があった。

その五十の無職男の彼を見るに、見るからに神経質そうな風貌、話していても、どこか変に癖のある人を見下したような話しぶり、印象として、どこか好感のもてない男だったりする 

以前は中国でバリバリに働いていた日本のエリート商社マンだったらしいのだが、そういう過去の面影はなんとなく、うちのような小さな会社で働いている姿勢にも見受けられて、彼はうちの仕事作業をするたびに、あきれてしまい・・こう言うのが常であった 

どうしてこんな作業効率の悪い仕事をするんでしょうかね?中国なら、もっと安くて生産効率の上がる仕事ができるのに・・と さも、エリート商社マンだった俺が、こんな安っぽい会社で働いてやっているんだぞ と、現場の主任の俺に苦笑しながら自分の過去の中国での仕事の事を自慢げに、話したりするのだった 

そんな彼の性質にも関わらず、俺は結構、同じ中国人妻を持っているという因果から、彼とはよく話もし、仲よくしていた。 

ある時、会社の昼休みに彼は中国人妻の作った手料理の弁当を俺に見せて、こういった事があった。

 中国人はなんで、こんなヘンテコな料理を好きな旦那に食わそうとするんでしょうね?見てください。アジを中華風に揚げているでしょう 

 こんなものを私が上手いと思うものだと思うんでしょうかね こう言うものを料理する中国人はなんか、可笑しげですね 

 彼らの思考回路を疑いますよ
 
これは帰って嫁に注意しないと・・こんな油ものばかり食わされては、私は身体が持ちませんよ 

 と苦笑しつつ、その中華風のアジをパクッと食らいつき、さも旨そうに食べていたりする・・ 

こちとら、中国妻と五年近く、(その当時は離婚していなかった)暮らしていた中で、弁当一つ作ってくれたこともない不精の妻を持った悲しい思いの中で、

彼は、自分の中国妻の弁当を非難しつつ、さぞ自慢げに、俺に愛妻弁当を見せびらかす彼の陰湿な性質に何か時々嫌な物を感じたりした 

彼はこう言ったこともあった。

中国人は人をだますことが一種の生活の一部となっている感じがしますね 私もよく騙されて、仕事が不履行になったことが何回かあります 

僕は以前、日本の商社と中国人企業の紹介、斡旋とかしていた会社を経営していたことがあるんでよね 

以前は何億ものお金を動かし、日本と中国との企業取引にも随分とかかわってきましたがね・・

そう言うと、彼の自慢話は果てしなく続いていくのだった・・