タイ女性との結婚

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タイ女性との結婚 タイシルクを編むタイ女性写真

2011-12-18 09:37:10 | 日記
タイシルクを編む見合い女性


H氏の見事な写真 働く女性の美しさを瞬間的にとらえた素晴らしい写真である タイシルク編みをする躍動感みたいなものが伝わってくる

この写真に魅了されて私はこの女性のに徐々に惹かれてお見合いを決意するようになっていく

タイ女性との結婚10 官能的な発見

2011-12-18 07:40:14 | 日記

被写体と「ゆっくりと時間をとって会う」事を可能にする写真・・

それによって人の顔立ちの特徴を「心ゆくまで眺め」、美しさや興のそそられるところを「まるで学術書」を読むように調べ、

そして「官能的な発見」ができる・・・ それが写真を所有する喜び

プルーストの書いた小説、失われた時を求めて で写真と言う物を彼は、そう言っていたのだが・・

 このタイ女性、タイシルクの女性の場合はどうなのだろう?

 自分の中で、H氏を怒らしてしまった思いだけが、後悔と焦りとなって、このタイシルクの女性の被写体としての状態と言う物をゆっくり鑑賞する気持ちには冷静なれない

 しかし、この場はどうあっても、H氏の機嫌を取り持つ意味でも、このシルク編みの女性の写真の中から、プルーストの言うような、

 「官能的な発見」をしない限り、どうにもならない感じがした。

またH氏の言う、このタイシルクの女性の良さというもを発見しない限り、

俺のタイ女性との結婚もH氏の怒りのままに、すべて終わってしまうような予感さえしてくるのだった・・

そう思い、じっくりと首を捻りなから、1画素の見落としもないくらいの勢いで、俺は近眼用のメガネをかけなおして、タイシルクの女性の被写体を鑑賞する しかし、どうしても、緊張感と焦りからか、「官能的な発見」というものが見えてこない・・

そんな、じっと恐ろしい形相でパソコンの写真を見入っている俺の状態をH氏は見て、急に怒りの表情を和らげ、笑いだした

 Oさん 貴方の気持ちもよくわかります 

 男は誰だって、綺麗な女性を自分の女性として得てみたいものです

 いきなりタイ女性と希望を持って、見合い、結婚する相手が不細工な女性だとしたら・・

 誰だって、Oさんのような不満はのべるでしょうね オーキッドのお客さんはすべてこのような気持ちをもったお客さんばかりで、それはそれなりにご自由な判断、認識で綺麗なうちの会員女性を選んで結婚されて行きましたが・・

やはり、御自分の身丈に似合わない綺麗な女性を選んでいったお客さんは、その後の結婚はうまくいかなかったことが多かったです

 僕がある程度忠告してあげたにも関わらず、その話を聞かずに暴走されてしまったお客さんは、結果として不幸な結末がまっていましたね 

Oさんのような純粋に子供を持ちたいと思い、自分の信念、哲学をもって、このタイ女性との結婚に意味をもたれていこうと思われる男性だからこそ、僕はこのタイシルクの女性を進めてみたかったんですが・・

 よろしいでしょう この僕のパソコン中に綺麗な若いタイ女性も何人かいます。 お好きな女性を何人でもお選びください 

 そうH氏は言った

そう言われると、なにか自分がH氏に見捨てられたような気持ちになってくる・・

あれだけ宗教、哲学で俺が彼と語り合った事柄が、何事も嘘くさく塗りつぶされくるお思いが・・

 綺麗な若いタイ女性も何人かいます お好きな女性を何人でもお選びください と言う 

ある意味さばさばしたH氏の言葉の中に、俺という人間をアキラメてしまったという意味合いがあるように思われて仕方がなかった・・

俺は悲しい気持ちのまま、H氏の言われるががままに、彼のパソコンの中から何人かのタイ女性を選んだ 


 18歳の色白の綺麗な女性・・23才の百貨店で働いているOL風の綺麗な女性・・17才の美容師の綺麗な女性・・・・


 H氏は何も言わず腕を組んだままに俺の選んだタイ女性を見つめている・・


そして、最後に俺が選んだのが、シルク編みのあのタイ女性だった・・ H氏はそのとき初めて口を開く

 
 その女性も結局、選ばれるのですか? そう、さめた口調で俺に聞いた

 
 俺はこう言わざるをえなかった


 貴方のお勧めする女性ですからね・・ 家に帰って、じっくり検討してみたいのです 

 それに僕が選んだ女性たちがすべて僕を選んでくれなかったときの滑り止めみたいな意味合いで・・

そう言ってしまう自分が情けなかった・・H氏はうなずくだけだった。 そして彼はこう言った

 では今日は、このへんでお開きにしましょう 

また、Oさんの選んでもらったタイ女性の写真、資料はメールで送らせてもらいます。

選んでもらった女性にOさんの情報と写真を送って、彼女らにお見合いする意思があるか聞かねばなりませんし・・

では、また 今日はありがとうございました


そう、さばさば事務的な口調でこの場を終えようとするH氏に、なにか自分が谷底に落ちていくような絶望感と寂しさを感じる・・

 俺は藁をも掴む気持ちでH氏に言った

 
 まだ、怒ってらっしゃるんですか? 

あれだけ、親切に僕に言葉をかけてくださったのに・・今はとてもサバサバと語っているものだから・・気に障ったのなら許してくださいね

すると、彼はこう言った


 怒る?僕は怒ってませんよ  と 彼は寂しげに続けて俺に言った

Oさんの好みの女性を選んでもらえれば僕としては何も言えません 御本人の自由意思というものですからね 

でも、これだけは言っておきますが、Oさんが若い女性、綺麗な女性を選んだとしても、それは表面的なものにすぎません

 いずれ、年齢とともに綺麗な女性お顔も失われ、若さもなくなっていきます 

そんな女性たちが、綺麗な皮がセミの抜け殻のように抜け落ちた時、最後に残っていくものってなんなんでしょうね?

上手く言えませんが、それは気質、性質、人格、女性としての思いやり、優しさみたいなものなんだと思います

 綺麗であったとしても、若さがあるとしても、不細工な女性であったとしても、そんな表面的なものがなくなったときに、最後に残るものが本当に人が愛するそんな性質なんだと思います 

Oさんは、そんな彼女らの最後の本質みたいなものを匂い、探し当てて、本当の結婚する喜びを体感してもらいたいものです。

失礼ながら、Oさんの今のままでの考えではその嗅覚ですらマヒされているように感じます

 そのことをよく考えてみてください 

 我々は人間であって、動物ではないのです 

綺麗な羽根をひらげるメスの孔雀を見て、オスの孔雀は本能として、欲情します。そういう綺麗なものに対して欲情するように自然界はプログラムされているのですが、我々人間は違うのです 

もっと違う意味で、我々人間には精神、心に訴えられる愛というものがあるのです

そうでなけば我々は人間とは言えないかもしれません。

タイ女性の容姿だけにとらわれずに、その女性の持つ本当の愛とか優しさ、そんなものOさんは見極められる男性になってもらいたいです 

Oさんなら理解できる人だと思います 頑張りましょう

と 彼は言った

俺は、わかりました・・とだけしか言えなかった・・言葉が出てこない・・情けない・・

 
自分が悲しくい物でしかない!としか思えなかった・・

  

 我々は深夜の福島のバーを後にして、別れた  時計を見ると三時を過ぎているようだった・・

 
 
 続く




タイ女性との結婚9

2011-12-18 06:56:11 | 日記

薄暗いバーの中で、 H氏のパソコンの画面だけが不気味に光り輝いている・・

H氏の吸う葉巻の青い煙がそんな光沢にうまく絡み合って、少しばかり幻想的な光景が、この薄暗いバーの中で不自然な光景ではあるが、少なくとも、俺にとっては・・・ではあるが・・・けっこう心地よい情景として濫立している

 彼のパソコンの画面を見ると、いろんなタイ女性のお見合い写真があるが、どうも俺は近眼のせいかイマイチ、パソコンのタイ女性の顔形というものがハッキリとわかりずらい・・・

しかし、よくよく目をこらしてみると、写真の女性たちの風貌がなんとなく分かりだす・・やはり、とうしても日本人とは趣が違うようだ

 今更どういったって、はじまらないのだが、あらためて日本人女性の美しさと言う物の有難み、みたいなものを感じる。

それにしてもこのタイ女性たちの顔写真をみると、なんか良く目立つのが歯の矯正をしている女性が多いことだ。

その話題をH氏にふると、

 
そうですね 理由はよくわかりませんが、日本女性なら、このように矯正した状態の御自分の歯を見せてお見合い写真に写るという事はないでしょうね 

そういう風土というか、性質…我々日本人にはわからない美的センスというものがあるのでしょうかね?


   美的センス・・


という彼の言葉を聞いて、なるほどそういうものか・・と思う 

タイ女性の美的センスというものは、俺にはこういう矯正する自分の歯をどうどうとお見合い写真に載せる状態という神経がわからないのだが、たぶん推察するに、彼女らの美的センスな言い分として、私は貴方たち日本男性と選んでもらって結婚するため、に歯を現在矯正してきれいに並べて日々頑張っていますよ

みたいなアピールをこの矯正したての歯をお見合いする写真にどうどうと見せることで、遠く離れた我々もてない日本男性にアピールしているものかもしれないと思ったりもする。

南国の明るいタイ女性ならそう思う気持ちもあるのかもしれず・・・文化の違い、暮らし方の違いというだけで、人間の異性に対するアピールの仕方も随分と変わってくるものだと感じてくる。

そんな自分なりの馬鹿げた推察話を思うと、俺はなんとなく北部のタイに暮らしている首長族の女性たちを思い出してしまった・・

あの首長族の女性たちは自分で、その首の長い姿を美しいと感じているんだろうし、 それは良いとしても、彼女らを取り巻く男性たちは彼女らを見て美しいと思い、抱く気になるものなのだろうか?とそんな思いを俺は持つ。

我々日本男性は彼女らの姿を見て日本のDNA的概念として、抱く気にならないけれど・・・

しかし、そんな彼女らしか見ていない長年彼女らと接してきた先祖代々の首長族の男性たちは、人として自然な環境概念として、その首長女性たちを見て・・

恋をし、欲情し、勃起し、彼女らを抱いて、子供生み、育み・・

先祖代々とそんな首長族という希少な部族のDNAを後世に伝えてきたのだろう・・

 
そういう運動形態と言う物を俺たちのような理屈やな文明人たる日本男性には理解できなことだけど、その自然な運動形態を非難することできない 

むしろ、それは、そんな希少なある意味人間本来の部分を純粋に残そうとする意味では、とても偉大なことだとさえ感じてくる 

そう思うと、矯正された歯を見せびらかすように笑顔で写るタイの彼女らの美的感覚な日本男性に対するアピールも案外理解できなことではないなぁ と自分の中で勝手に、彼女らの美的センスに納得、理解しようとする自分が見えてくる・・

 俺は言った

 
文化の違いというものがあるのでしょうかね? だからと言って、我々日本人の目線だけで、それをバカになんかできないですものね 

 その俺の言葉を聞いて深くうなずき、彼はこう言った


文化の違いを乗り越えるというのは、知識の増補ではないですよね。

先日、語学の先生と話していたんですが、先生が言っていたのは、「『海外へ行って、自国の良さが分かった。』というのは、日本人に多い。」と言っておられた。

大抵の外国人は自国より外国のほうが、住みやすいと思うそうですね。

それだけ、日本人は世界で最高の恵まれた社会環境に暮らしているのですよ。

私達はある意味、「裸の王様」状態にある。ということは、私達は一歩外へ出れば不愉快な目にあうということなんですね 


彼は続ける

タイ社会では、誰もが金銭的には余裕のない状態でくらしていますが、それでもそこにはちゃんと社会がありそして、お金の無い者どうしであっても、ちゃんと階層ができています。

日本では、お金の有る無しや持ち物で人を区別するような風潮がありますが、タイではそもそも一部のお金持ちを除いてみなさんがお金の無い状態です。

その状態では、お金のあるなしは判断基準にはなりえず、その人の人柄、相手を受け入れる度量などを見て人を区別している。そういう意味では、タイ人の人を見る目は日本人より厳しくより人間の本質を見抜くことに長けていると思うんですね。

うかうかしていると、私達日本人はたまたま豊かな国に生まれてその社会に生きる甘ちゃんだ、半人前だ、とすぐ見切られてしまいますよ 

と苦笑いをうかべながら彼は言った

そう言うと彼は、ハッとひらめいた表情で、パソコンの中のタイ女性を選び、俺に一人のタイ女性の写真を指差した


この人なんかどうです?年齢は二十七歳、

見た感じとても、都市部で洗練された派手な部分もないですし、田舎の女性なので、純朴で素直なよい女性ですよ


彼は突然わからなかった数学の問題を理解しえた高校生のように、勢いよく、話を続ける


この人はタイシルク編みします。僕も見せてもらいましたが、タイシルクは大変な根気のいる仕事です。

忍耐力のある性格でないと出来ない仕事ですね。働きたがらないタイ気質の人の中では貴重資質を持った女性だとおもいますよ

以前彼女の家に面接がてら訪問させてもらった、写真があるんですが、そうそう、これがタイシルク編みをしている彼女です これが彼女のお母さんですね そして、これが・・



彼の話があまり耳に入ってこない・・このタイシルクの女性の写真ばかり見て、冷静に、この女性はどうなのかと・・

計算を開始している自分がそこには有た 

まだ、少し俺は酔ってはいたが、それでもこの女性の写真の判別はできる・・

 見ると、どことなく伊東四朗似ている・・

それに二十七歳にしては、とても老けて見える・・・

日本と違って、年がら年中、暑い国にいると、こんなに日本女性と違って、老けてしまうものだろうか?

それにしても、こんな顔の女性は嫌だ と俺は思う


 H氏は話を続けている


・・結婚したら、たぶんOさんのお世話を一生懸命するでしょうね。 この人はお勧めです と言って俺の反応を待つ・・


写真をもう一度見るが、俺は酔いの抜け切らない勢いからか、写真を見るなり、即決で、

 嫌です とH氏に言い放ってしまった  


その態度にH氏はムッとして、顔にあきらかに怒りの態度がこもっていた

 彼はこう言った

 
 ずいぶんと早々と即決されるものですね 容姿が気に入らないのですね?Oさん 

 Oさん自分の年齢、自分の収入、自分のお立場を考えて即決されるのですか?

この女性の良さみたいなものは、このサイトに載せられている写真だけでは現れていないかもしれませんよ 

容姿だけで判断されると、必ずしっぺ返しをくらいます! タイ女性は容姿が良ければ、その二乗分性格が悪いといわれます

自分の容姿に花をかけて、自惚れが多くなるんですね この女性なんか逆に、そう意味では容姿も良くはないけれど、素朴で田舎の女性のもつ純真さを失わなっていない感じだと思いますけれどね 

 と彼は言う


 どうこたえるべきか迷う・・・ 

俺の以前の離婚した中国人妻は一緒に街中を歩いているだけで、いろんな男性から振り返られ、目を惹かれるくらい美人なものだった・・・ 

そんな男性達に振り返られて見られる彼女の存在は俺にとって、結婚していて唯一の至福の瞬間だったのかもしれない 

それが今回の結婚で選ばなければならない、このタイ女性と言う物は・・そう思い絶句して

あらためて、カウンターの端を見てみるが、誰もいるはずもない・・・   そう思うと俺は言った

 
H氏さん 男は誰だって、綺麗な女性、可愛い女性と手をつないで街中を歩きたいものです。 それが男の美学てもんでしょう?

いい車、いい女、おとこが同性に自慢で来て、自分の価値基準を他人に認めさせるものといったら、そんなものしかないです。 綺麗な女性と肩をならべて歩いていたら、すべての男性は、この男性を見て、羨ましがるものです。

自分の立場というものはよく理解できますが、それは、もう少し寛容に僕の気持ちを理解して貰いたいところですね。

他のタイ女性とかは、どうなんですか?もう少し他のタイ女性の写真を見てみたいですね と俺は一気に言った


彼はそれに答えて言った


 これ以上良い女性はうちのサイトにはいません!

 
とH氏は怒りのまま、そう言いきった。 そういうと黙って水割りをグイッと飲む

 
 明らかに彼は怒っているようだ・・

 
 どうしたものか・・と俺は思案にくれる


 続く


タイ女性との結婚8 落ち武者

2011-12-11 08:30:25 | 日記

人が死ぬとき、自分の人生が終わるとき、その最後の最後の瞬間の中で、人は走馬灯のように自分の辿ってきた人生を一瞬で振り返るという話を聞いたことがある

 自分のような見も知らない男の結婚を取り仕切りという縁・・・

H氏のおかげでタイ女性と結婚できる それは他人がどう思うとも、少なくとも自分の人生の中では重大な事項だろう思う 

彼もたぶん俺の人生のラストで見る走馬灯のように、まるでフェリーニの8 1/2の映画のラストシーンに出てくる円のある舞台をクルクル回りだす登場人物たちのように・・・

彼は特別な思いで俺と縁のあった人として人生のラストで登場してくるのだろうと思ったりする・・

人はそんな俺の思いをセンチメンタルなものだと嘲笑するかもしれない 

毎日が孤独で本当に生きていると感じられない今の俺には、このタイ女性との結婚を取り仕切ってくれるという事だけでも、人生にとって光明を見出す思いであって、それは彼との縁のおかげであった。

そう思うと、自分は今孤独ではないんだ としみじみ思い、なんか目から自然と涙が出てくる・・

キタキタと自分の涙腺叱りつける

両手で顔をパンパンと叩きつける

しかし、涙は収まる気配はない

ついにそんな、まるで落ち武者のようになってしまったかのような形相の俺をH氏は見咎めてこういった 

どうしたんです?涙なんかだされて・・僕の話はそんな泣く話でしたか?

と笑いながら言うと 俺は言った

いやいや、マティーニがね・・まさしく、これは劇薬ですね ほんとあなたが言われるように、僕の人生ダメになっちゃいそう・・

そんな落ち武者が照れ笑いを浮かべて涙をぬぐいながら言った。


そう俺が涙をぬぐいながらいうと彼は、弾けるように笑いながらこういった 

マティーニを劇薬というのは良い表現ですね うまいこといいますね 

そういい終わると彼の顔から徐々に笑顔が消えた。そしてこういった

じゃOさん マティーニのお時間はもうそろそろおわりましょう

お水をもらって、少し酔いをさまして西方親鸞会の仕事の話にもどりましょうか

Oさんのお見合いしてもらうタイ女性の写真を見てもらいますから・・

そう言って、彼は自分のノートパソコンをバックの中から取り出した・・

俺はえっ という顔でH氏の顔を見る



その俺の表情を見て悟って、彼は言った 

Oさん 言ってませんでしたか?

タイ女性と結婚する前に、まずタイに行ってお見合いしてもらわなければなりません 

いきなりタイに行って、結婚できるのかということは、入管局も怪しみますし、それはタイ女性との結婚していく流れとしては、よい流れではないのですよ

 タイ女性もOさんといきなり会って即結婚という気持ちにはならないと思います。

やはり、どんな国でも男と女が結びつくには段階を踏んでいかなければ・・それはご理解いただきますね? 

このことはオーキッドのサイトにも書かれていたとおもいますが・・

そうだったのか・・俺は思いにふける

それにしてもお見合いという気持ちではなかっただけに・・いきなりタイで結婚できると思っただけに・・

俺の気持ちはそんなH氏の言葉を聞いて、それまでの幸福感から一変して、この現実というものに怪訝なものを感じ屈折した気持ちの心情景に変化してしまっていた 

そう思うと同時にマティーニに酔ってしまった自分がもうかなりこの現実世界から取り残されてしまっているのではないか?という焦った気持ちになってしまっている 

時計を見る・・・終電の時間はとうにすぎているようだ 


もう、ずいぶんと酔っ払ってしまってますから、話は後日にしますか?

そんな事をH氏に言って、とりあえずこの場では見合いの話はなかったことにして、ごまかしてしまおうか?

俺の中にそんな悪事がひらめく 

 H氏はずんずんとパソコンを起動させようと画面を開けだした そんな光景を見ると、言いたいことも言えない気持ちになる・・

俺は駄々っ子みたいにイジケタ悪事な気持ちのまま、こう思ってしまう



 タイなんかに何で行かなければならないんだぁ?



そんな自分の本音みたいな言葉がマティーニに酔いつぶれた自分の主体から発せられ、俺の心の中でこだましながら、叫んでいるのが聞こえるような気がした 

そんな叫びと呼応するように

バーのカウンタの端に小奇麗な色白い女性が俺を見つめながら微笑み、一人っきりで飲んでいるのが俺には見えたような気がした

マティーニに酔った俺は世界から取り残された状態で喘ぐようにそんな彼女を見て思う。

もし、こんな肌の白い綺麗な女性が私の妻だったら・・もし、この日本女性と俺が世界の果てまで一緒に今この現実世界から逃げてあげると彼女が言ったならば・・

もしそうなら、肌の色も違う、言葉の伝わらないタイ女性との結婚に俺が藁をもつかむ思いで溺れることもなかったろうに・・・・

それにしても、こんな50歳を前にして、タイ女性と結婚だなんて・・

なぜなんだ? お前は以前の結婚で幸せだったのか?

いつも、金がない、金がないと言って、ピーピー言っていたじゃないか?

結婚なんかしなければ、こんな旨い酒もお金のことも気にせずにのめるのに・・ 気楽な独身生活ってやつを満喫できるじゃないか 以前の中国女と離婚したときはそんな思いで離婚したのではなかったか?

そう心の中で自問自答していくと自分の心が悪魔のように気持ちの変化してきているのがわかる 俺はどんどん屈折した気持ちで思いをはせる


それにしても、タイ女性なんかと結婚してご近所の奥さん方はどう俺を見るだろう?

そうだ、彼女らはこういうに違いない

奥様、聞きました?あの方とうとう日本女性にも相手にされず、中国女性にも見放されて、タイ女性と結婚されるみたいよ・・


よいお歳をしてそんなにいつまでも、見境なしに若い女性とSEXでもしたいものなのかしら?

タイ女性なんて言葉も通じないのに・・一人暮らしに飽き飽きして、気でも狂われたのではないでしょうかね

ホラホラ、ご覧になって、やっぱり日本人と違って、タイ女性は色が黒いですわね・・これからあのご亭主も大変ですわね・・・

 と嘲笑されるのが落ちかもしれない・・・笑いたければ笑え 

でもお前たちはどうなんだ?

 おれのような不具者を哀れんで、お前らの年増のブヨブヨな裸体を自ら投げ出して孤独な俺を抱きしめて慰めてくれるとでもいうのか?

そんな孤独の俺とともに夜中まで二人で晩酌して、ともに片寄せ合って、ピュアなロマンテイストとなって涙を流して韓国ドラマを共に見てくれるとでも言うのか?


誰も俺を救ってくれることはない 誰も俺のことを知っちゃあいない  それにしてもだ・・奥様方よ

それにしてもだよ・・ご近所の奥様方・・・

お前たちだって、人を笑う資格などないんだ お前たちの亭主はお前たちに隠れてコソコソ、いったい何をしているのか知っているのか・

お前たちの醜いブヨブヨの裸体など抱く気にもならず、個室ビデオ店でセッセと通いつめてお前たち以外の裸体を観賞し、想像し、癒してもらって、ご亭主たちは一生懸命励んでらっしゃるんだぞ

 そのことをお前たちは知っているか 

お前たちの前では見せたこともない癒された表情で、ご亭主たちは三畳もない消毒液でプンプン臭う息苦しい狭い世界の中しがみついて、お前たちと別なものを得るために、そんな世界で幸福感を味わっているんだ。

考えたら可笑しいものだ そんな世界にしがみ付いて、ちゃんとしたお前たちのような妻がいて、家庭があって、いったい彼らはどうしちまったって言うんだ?


お前たち奥様どもが悪いのか?

ちがう男とはみんなそんなものだ 男は言葉もコミニーケーションもいらないんだ タイ女性でも中国女性も日本女性もなんだっていいんだ 

入る穴さえあれば・・男はなんだっていいんだ お前たちのような建前だけで俺を笑う年増のおばはんなんかに孤独な俺たちを笑う権利などないんだ



 でもそこにいるカウンタの・・そう、そこの彼女はどうだろう?彼女だけは違うような気がする

彼女は俺の味方だろうか?

それとも、敵だろうか?

彼女もみんなと同じようにタイ女性と結婚する俺を笑っているんだろうか?

彼女は俺と共に世界の果てまで逃げてくれるだろうか? 

俺のような・・こんな俺のような男の赤ん坊を彼女の腹の中に宿してくれるだろか?

 以前結婚していた中国女は俺の子供を作る事を拒否した それでも俺は笑えなかった 俺は泣けなかった 

誰も俺を救ってくれることはない 誰も俺のことを知っちゃあいない それが俺の人生だった 

笑いたければ笑えばいい

しかし・・

俺は子供が欲しい 五十前にして・・そう思う自分がいる

自分の生きる目的を知りたい 自分の生き方を見出したい・・

お願いだ そのことだけは彼女だけにわかって欲しい


 ブーンという機械音がしだしていた・・


ふと見るといつのまにか隣のカウンタのH氏の大きく分厚いノートパソコンが音を立てて力強く起動しようとしているところだった・・・・

当然だけど、色白い日本女はカウンタの端にはいない

パソコンの起動音にせきたてられるように、現実に引き戻された俺は、

水をください と虚ろげにバーテンに言った・・

バーテンから渡された冷たい水を一気に飲みほす・・

これで少しはマーティニからの酔いも徐々にさめてくるだろう と思う

早くお見合いするタイ女性の写真が見たい・・今夜中にお見合いする相手を決めてしまわなければ・・と思う

そう思うと、俺はH氏のノートパソコンが未知の世界を秘めた玉手箱のようにキラキラ光っているように思えてくる

そう思いながら、起動を終えたH氏のノートパソコン見ると彼のパソコンの壁紙のトップ画面の複製された

たくさんの黒猫たちが、まるで・・・

どうしようもない孤独な俺を祝福して出迎えてくれたかのように、

きちんと配列されて大きく目を見開いたまま俺を見つめているのだった・・・


続く