つるとかめがすべった・・・・・流産してしまえ!死んでしまえ
それを言語として発してしまっている俺の中の無意識にしろ、意識的にしろ、
それは想像するに、言葉として彼女たちを一瞬して喧騒な状態にしてしまうには、十分な恐ろしい意味を持ち合わせている呪文であるには違いなかった
たとえそうはっきりと、日本語で、お前ら中国人など・・流産してしまえ!死んでしまえ と伝えていなかったとしても・・・
潜在的にこの つるとかめがすべった と言う意味合いが、そんな恐ろしい意味合いをもっているとするならば・・
確かに、その呪文以外にこの彼女ら謎の怒りの原因はありえないと思われた・・
中国女性を流産させてしまえ 彼女らなんか死んでしまえばいい
その言葉を発した俺と言う人間・・・
それが俺の無意識化の本音であり、俺の本当に望んでいる結果であるならば・・・・
そう思うと、自分がいつのまにか、普段意識していなかった、職場の女性に恋をしていることに気づき、その彼女に恋をしてしまう自分自身に改めて気づかされたように、驚くような気持ちになる
思えば中国女性・・・俺そのもの中国女性と結婚した今までの出来事を思うと、
この恐ろしい呪文が俺の心の中で無意識に発せられてしまっても当然だという思いがしてくる
彼女ら中国女性と結婚しなければ、俺は糖尿病になることもなく、
今まで一生懸命働いてコツコツと貯めてきた貯蓄も彼女らの物品や見栄のために形を変え奪われることも無く、
自然に穏やかに未婚の中年男性のささやかな生活の糧になっているはずであった
彼女ら中国女性・・その存在に出会わなければ・・今となれば無駄に終わってしまう仮定の話ではあるが・・
中国女性・・
それまで女性との付き合いというものを知らない我々のような中年になっても結婚できない日本人男性にたくみに忍び寄り、
好きでもない日本人男性に貴方を愛してますと、ぬけぬけと言い切り、
そんな歯の浮いた話に我々中高年をだまし、ついに彼女らの目的どおり日本人と結婚し、そこから得られる報酬・・
日本で働くための永住ビザと国際的強い日本の円・・その報酬を祖国の中国の家族に送り届けるために
自らの裸体をその河豚者の日本人男性を委ねて、一時的にせよ 日本人の良き妻として潜伏した状態での彼女ら日本人と結婚した中国人女性たち
しかし、彼女らの本音としては、決して心まで我々にしたがっているのではなく、
昔、流行歌で歌われていた詩にあったように、
誰に抱かれたとしても、あんたを忘れはしない 言葉かえればこういうことになる
日本人男性身体を抱かれてたとしても、私は中国人としての自覚と意識を決して忘れない
そんな言葉が日本人と結婚した中国女性から聞こえてくるような気がしてくる
そのことは、彼女ら中国人女性と結婚した経験ある日本男性なら、すべての人に共通認識として感じざるを得ない気がする・・
その意識とは、まるで男女が性行為を終えて、本当の意味でスキンシップをとりえない、身体と身体の一部分だけ男女の間に隔てられ、愛の行為が終わったとしても、お互いのぬくもりが伝わらない金属の板が彼女の身体に貼り付けられているような感覚・・・
本当の意味でつながらない何かを、我々日本人男性は彼女らと生活していて、そんな微妙な何かを彼女らに、感じざるを得ないのである
そんな彼女らと本当の意味で、つながりえない と俺は感じて
中国女性を流産させよ 彼女たちに死を与えよ と俺は本当に真意として彼女らに言ったのだろうか?
そんな不確かな自分の思いの中で、この中国女性たちのこの険悪な情景はなんとしたものだろうか と思えてくる
しかし・・そんなことも・・
もう、どうでもいい と
こんな不条理な喧騒の場であっても、おかしな話ではあるのだが、俺はある意味何者かに対して開き直ったような気持ちになって、そう思った
俺が・・この俺が・・彼女たち中国女性を 殺してしまえと 俺の潜在意識の中で叫び声をあげているのなら・・
いや、その言葉が直接彼女らに伝わる意味ではない言葉、我々、日本人が子供頃、興じていた歌
つるとカメがすべった・・・
うしろのしょうめんだあれ?
確かに言葉として日本語として彼女ら中国女性に、直接、死んでしまえ 流産してしまえ と言葉的、伝わらなくても・・
そのことを俺は心の底から無意識にせよ 意識するにせよ 俺が中国女性に対して、そう思い感じ、それが真理だと思っているのなら・・
彼女たち中国女性との関係にしがみついてる俺の今の現状 中国女性の妻をもち、中国女性の多くいる会社の中で、自分は存在しつづける そんな自分をとりあえずは清算してみるべきだと思えてくるのであった
そう思うと俺は何事からも自由であり解放された気持ちになって、彼女たち中国女性の喧騒も叫びも怒りも、
彼女ら日本人男性に対する冷酷な目線も、
態度も、中国人独特の日本人にはないコミニティも、すべてが無である という気持ちにさせられてくる
そしてこんな風に俺は考えるのだった
俺もmさんのように俺も中国妻と別れ・・・本当の日本人に戻るべきだ と
我々が認識している自然を愛する気持ち、桜が散る時の季節のうつろいの哀愁、そんな自然に対する無常感 そんな、あわれな情感に我々日本人は美意識を持ってきた
もし、mさんが愛し愛されていたと誤解していた中国妻と別れ、すべてのもの・・
電化製品、プライド、お金、名誉 健康な肉体・・そのすべてを無くし、中国女性たちに おつちゃんは無い人と、蔑まれたとしても・・
これ全て無常であり、うつろいゆく ものである すべては永遠に所有することはできず、すべて消えゆくものである
そういう感覚からもっと考えてみる
世界の人が驚嘆したでき事・・我々が震災で多くの人命、財産を失ったとしても、その被災した日本人の秩序ある行動、冷静な物の考えというものに世界中の人々は称賛してきた
そんな日本人は自然のすることに対して天災に対して、あきらめの気持ちがある 神様がなさらる事なら仕方がない そんな日本人しかわからない仏教からくる無常感がある
日本人にしか理解できない哲学 諸行無常 平家物語でもこのテーマが唱えられてきた 日本人としての愛すべくこの思考 無常感
この感覚を我々は持ち合わせている限り、中国人には 負け得ない何かがあると思われた
この無常感を愛する資質を俺たち日本人が持っている限り、我々は何もなくても誇りを持って生きていけるだろう
何も無い そうあるべき事を当然であることだと理解すること・・すべてが空であること・・・すべてが空であることを理解した時、人間は初めて美を知り、自由を体感する
なんでも自分の関わったものは持ちかえり、奪い取っていく 自分の都合だけで・・生きることしか考えない・・そんな中国人には永遠にわかりえない日本人の美意識というもの・・・
それを日本人は持っている
そう思うと、今、俺に対する喧騒態度の中国女性に対し憐れみの気持ちすら感じ、自然と俺は彼女らを見て頬笑む・・
俺がほほ笑むのに反応するかのように怒りの叫び声をあげながら、彼女ら中国女性がどんどんと俺の方に近づいてきている気がした
まるでカミュの小説 異邦人の主人公のムルソのように・・
俺はこの瞬間に生きていることに幸福を感じ・・・
ムルソのラストの文章を暗唱するかのように・・
俺に向かってくる怒り狂うそんな彼女ら中国女性を見て、呟くのだった
一切がはたされ、私がより孤独で無い事を感じるため・・
憎悪の叫びをあげて、大勢の見物人が集まり、私を迎えてもらいたい
私の処刑の日に・・・
これが私に残された今の最後の望みである と
続く