ポンジュノ監督は、2009年公開された「母なる証明」で初めて知り、衝撃を受けました。
半地下、これほどの劣悪な住宅環境に驚く。でもこれは現実で、韓国に生まれた低所得層には珍しくないと。
長男、長女は大学に行く年頃となっても就学ままならず、アルバイトで家計を支え、やたら新事業に手を出す甲斐性のない父親と疲れ切った専業主婦の母。
四人は宅配ピザの箱折りの内職にふけながら、一攫千金の夢を語る。半地下の暮らしは換気も悪く湿気だらけで、その上、Wi-Fiも繋がりにくい。
長男の友人が留学する事で、そのおこぼれの家庭教師のバイトが回って来たのが運のツキ。いや、尽きと言うべきか?
大豪邸に住む一家の暮らしは夢の世界。そこに足を踏み入れ、生徒となる娘と恋仲に。小学校の息子の絵の先生として妹を斡旋。知恵が回るよね。
この程度で止めときゃいいのに、調子こいて社長の主人への運転手に父親を。家政婦に母親をとまさに巧みなパラサイトで侵入。
半地下に住む一家が豪邸での地下を見つけ秘密を握る。上には上が?この貧富の差はヤバすぎる。
なんと言うか。金持ちって、金握ってるだけで傲慢なんだなと、多少の嫉妬も生じヤキモキしてしまう。
憧れが剥奪に変わり、人の欲望が狂気となる。
これ、ポンジュノ監督ならではの技法で、グロさを抑えられたんだよね、きっと。
2回目の鑑賞ですが、ハマり過ぎ癖になりそう。
この作品、社会風刺になったかな。貧富の差は痛ましい限りです。