今日は、もう随分前の事をお話しします。
でも、母にとって
決して忘れられない、忘れてはいけない事です。
それは
ブランがまだ1歳になる前の事です。
母とふたりでまったりの土曜日。
お昼近くになって、お腹が空いた母。
昨日の残りが入った鍋を
(何だったか覚えていません)
火にかけました。
火が通るまでテレビでも見ようと
ソファにゴロンとなりました。
ブランも私について側でゴロンとなり
すぐに寝てしまいました。
私は・・・
テレビを見ている筈でした。
どのくらいの時間がたったのか
ブランの吠える声が聞こえてきました。
『うるさいなぁ~』
不機嫌に目を覚ました途端
焦げ臭い匂いと煙で白くなった部屋
『エ、エ~っ』
何が起こっているのか、まだ把握できない中
体の芯がぎゅーっと凝縮し締め付けられる感覚に
『とんでもないことが起こっている』
そう思って、慌ててキッチンを振り返ると
鍋から煙がモクモクと出ていました。
その間も、ブランはずっと吠え続けていました。
すぐに火を消して、あちこちの窓を開けて
恐る恐る鍋の蓋を取ると
真っ黒くカピカピ(カラッカラ)になった鍋の底。
それを見て心臓がバクバクし始めました。
『はぁー、えらいことしてもうたぁ~』
ブランが居なかったら
ブランが吠えて知らせてくれなかったら・・・。
もう10年も前、
子供だったブランに
母は大きな『貸し』を作ったのでした。
~この『貸し』は一生掛けて返しますね~
『ほんまやろなぁー』
『ほな、たのむでぇ~』
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