ブラン家の近くに
奥さんがイギリス人の方がいらっしゃって、
旦那さんとはわんこの散歩でよく会い
立ち話をしていました。
でも、たまに奥さんが散歩されている事がありました。
今までは離れたところからだったので
軽く会釈だけでしたが
その時は道で偶然、ばったり会ってしまったのでした。
その奥さんはブランを見るなり
満面の笑顔で
『オー、ボーダーコリー』
と本場の英語で声をかけてきました。
素晴らしい巻き舌です。
母はこんなに舌を丸めたりできません。
とにかく、
やばい・・・です。
この時、母はドキドキしていました。
何故って、この奥さん
どのくらい日本語が話せるか知らなかったのです。
英語で話しかけられたら
どうしよう
と、不安を隠すための意味不明の笑みを浮かべながらも
黙っていました。
(怪しい日本のおばさん登場です)
この奥さんの実家ではきっとたくさんのボーダーがいるのでしょう。
こんなに近所でボーダーに会えたのが嬉しいようでした。
ブランを撫でながら高いトーンで何か話しかけています。
何を言っていたかはわかりません。
片言の日本語だったのか???
英語だったのか???
そんな事より
何か聞かれたらどうしよう・・・
と、思っていると
ブランから母の方に向き直して
『ナマエハナンデスカ?』
と聞いてきました。
ついに来ました。
何が来たかと言うと
ブランの名前は
英語すらろくに喋れないブラン家が
こともあろうかフランス語の名前をつけていたことです。
blanc
(白)
単純にワイン好きの父が決めた名前です。
もちろん、フランス語の発音はできません。
というより、
知りません。
奥さんに答えるまでの短い間に
これだけの事を考えていました。
で、答えました。
『ぶらんです』
奥さんは
キョトンとして小首を傾け
何と言う日本語なのか考えているようです。
そんな日本語はありません。
なので
『あの~、フランス語で白っていう意味の・・・』
と、説明すると
『オ~ゥ、blancネ』
とまたまた見事な巻き舌で答えてくれました。
母は本当は日本語の名前を考えていました。
さくらちゃん
はなちゃん
みみちゃん
このいずれかにしていたら恥をかかずに済んだものを
ボーダーコリーと正しく発音できないよ
という母と同じ境遇の方
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