ダイサギがいつもの餌場を目指して飛んでくる
「雛鳥が待っているからな、沢山捕ろう」
それ行けぇ
「あれっ、なんだか変だぞ、先客がいるみたい」
ここらでブレーキをかけないと間に合わないぞ
怖い怖いのがいるぞぉ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「うっひょぉぉ・・・!これだもんなぁ、参ったなあ」
逃げるが勝ちだ、勝てる相手ではない
隣の川へ行きなさい
B29爆撃機は成層圏(高度一万メートル以上)を飛んでくる
警戒警報のサイレンが鳴ったときにはすでに上空にいた
それほど、日本の防空システムが旧式だったのだ
透き通るような青い空にオモチャのように小さな機影が銀色に輝いている
海岸線に並べられた高射砲が火を噴く
しかし、遙か下の方で白い炸裂雲がパッパッと開く
連中にとっては、どこ吹く風かと気にもせず、悠々と飛んでゆく
あまりの高度に、爆音すら聞こえない
時々、我が軍の邀撃機が舞い上がる
途中までは勢い良く上昇するが、途中で息が切れてしまう
空気が希薄になるからだ それはまるでホバリング状態となる
それはちょうど下校時だった
兵舎に沿って5,6人の友達と帰途についていた
日本の素晴らしさは、
このような非常時であっても学校を休校にしなかったことだ
一層事情が悪化してからも、学童疎開をさせて、授業は続けた
江戸時代からの教育熱心である国民性が今日の繁栄をもたらしているだろう
兵舎の正門あたりにまで来ていた
見上げると黒いゴマ粒のような物がバラバラになって落下してくる
ヒューゥ、ヒュルヒュルヒュルと笛を吹くような音が聞こえてきた
正門に立つ番兵が大声で「下水に隠れろ!」と厳しく叱責した
町屋の下水道は現在の側溝とあまり変わりありません
しかし兵舎を取り囲む下水路は深さが1メートル、幅が2メートルほどあった
水はチョロチョロと流れる程度だ
身を隠すには打って付けの場所だった
番兵は右手で銃を持ち直立不動の姿勢を続ける
コンクリート製の番兵小屋に避難しようともしない
ズドーン、ドンドンドンと炸裂音がしたと同時に、私たちの頭上を
ザッザッザッザァーと強風が吹き抜ける
波状的に襲う爆風だ
番兵はガクリと右膝を地面に付けて、銃を支えにして立とうとする
しかし、前のめりに倒れてしまった
私たちはみな、懸命に我が家を目指して走ったのだった
日本は一番強いものを敵に回した結果、負けてしまいました。
今は仲良くして入るもののいつ何時敵になるかもしれません。
そんな世の中にならないで欲しい。
今でも世界中のあちこちで火花が散っていることを思うと負けて平和になった日本を何とかこのまま残したいですね。
未来の子供たちのために。
鷺さんは先客を知ってとても太刀打ちできる相手ではないと見て帰っていった?場所を変えたんでしょうね。
人間が一番怖いのでしょう。
今また、鮎が解禁になり、テグスで川を覆っているようです。鳥さんと人間の戦いですね~
あの戦争を始めたのは誰、そしてあの戦争を中止したのは誰。あの忌まわしい戦争は真実見せないで終結して、今は皆そてぞれに大なり小なり平和を享受している。これは何時までも続くか?誰もわからないとおもいます。
幸せな、自然の風景に、喜びを感じている今。その下には、幼い頃の戦争体験を掲載している。
先を見据えた構成は、3578181jikさんの洞察力。
災害は何時来るかわからない、そんな警告でしょうか。同感です。大変嬉しく読ませていただきました。
ダイサギはじめ鳥たちには、ちょっと邪魔者ですね。
せめて川の中に針や釣り糸を遺さないようにしてあげてほしいものです。
仰るとおり、未来の子供達のためにこの平和な日本を残してあげたい。
ダイサギ君、残念ながら良い餌場は釣り人達に占領されています。早々に引き揚げて行きました。
実は私もソ連機の機銃掃射を受けたことがあります。それも戦争が終わっていたことも知らずに、ソ連機に追い掛けられていたのでした。
大慌てで逃げまどい芋畑に身を隠す子どもたちを見ながら、大笑いしていたソ連兵の顔は今でも想い出します。彼らは早くに終戦を知りながら、面白半分の攻撃だったのです。それゆえにいまだに彼の国は信用ができず好きにもなれません。
こうして年寄りがカメラを手にして、毎日のんびりと歩けることって・・・平和って本当に良いものです。ずうっと大事してゆきたいものです。
はなぐるまさん宛のお返事を読み引用させていただきました。
「ごくごく一部の強硬派が突出して一億国民を戦争へと駆り立てたのでした。なんと愚かなことでしょう。今も各地で戦火が続いています。
未来の子供達のためにこの平和な日本を残してあげたい」
本当に一部の人間だけの利益の戦争はやらないで欲しいと切実に願います。
今、憲法9条問題が出ていますが何としても憲法改正はストップして欲しいです。
戦争を語り継ぐ事はとても大切な事と思います。
今日、内館牧子さん著のリトルボーイ・リトルガールという本を読みました。
題名の様に軽い読み物かと読み始めたら広島の原爆!
爆弾製作、実験も物語りに挿入した内容でした。
追記にありましたが
「死にたくないのに死んでいった人々の無念を風化させたくない。夏がきたら一年に一度だけでも思い出したい」