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ベンツピレンによる発ガンへのビタミンCの抗腫瘍効果について 栄養医学ブロウ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-09-16 10:57:46 | 日記
ビタミンCの抗腫瘍効果は、ドイツのカリストラトス博士らの研究室で実施され、ベンツピレンは、ある実験条件下で強力な環境性発ガン物質であり、悪性腫瘍を高率で発症させます。例えば、マウスとラットでは100%ガンを生じさせます。なお、ベンツピレンは、K領域にある濃い電子密度を有する10個の2重結合よりなる5つの芳香族環で構成され、そのK領域が発ガンに関係している、と言われています。そして、ベンツピレンの発ガンの可能性はマウスで調べられ、約60%の割合で高いことが分りました。

不飽和脂肪酸のグループにもベンツピレンの発ガン活性を減少させることが知られています。カリストラトス博士らの研究によると、ビタミンCは、マウス+ラット群で97%から30%、ベンッピレンにより生じたガンの危険性を著しく減少させ、担ガン動物の生存時間を延長させる事が分りました。また、ビタミンCの投与量を増やすことにより、ベンツピレンによる発ガンの可能性は、65%から21%に減少し、投与量を増やすことによりさらにその発ガン活性が減少しました。そして、ビタミンCを投与しないベンツピレン発ガンマウス+ラット群に比べると、ビタミンC投与群は、ガンの大きさで約10分の1も小さく、がんの成長速度が極めてゆっくりしていた。さらに、組織学的には、対照群に比べると、腫瘍細胞は少ししかなく、細胞分割は阻害され、ガン細胞が死んだ領域は、結合組織に取って変わった。なお、ビタミンCを投与しないラット群の横紋筋肉腫の重量は約150gで、部分標本では多くの悪性細胞を含み、部分分割が多かった。しかし、ビタミンC+ベンツピレンで処理した動物群では、ベンツピレンのみの群に比べて、重量10分の1になり、ゆっくりした増殖の横紋筋肉腫が観察され、また、ガン細胞の著しい破壊も観察され、そこは結合組織に変わっていた。結果として、ビタミンCはベンツピレンにより生じたガンに対し、著しい抗腫瘍効果を有していると、考えられます。更なる研究が待たれます。

References
J.N. Council. VitaminC。Applied Science Publisher.1982
Stone,I. (1972) The healing factor : VitaminC against Desease. Grosset  and Dunlap