栄養医学ブログ

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ガンと食習慣、環境因子との関係について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-09-30 11:58:16 | 健康・病気
ガンと食生活、それに環境因子の関係については、多くの、いろんな研究が世界各国で報告されています。研究によると、一般的なガンは、大部分、工業化による影響ではなく、いろんな他の因子、例えば、長いこと変わらない生活様式、特に食生活の習慣が関係している、と報告されています。また、タイプの違ったガンの発生率は、国により違っており、人々がある国から他の国に移住した時、新しい国に特有なタイプのガンに罹る傾向があります。例えば、日本から米国へ移住した日本人のように。このことは、ガンはほとんど予防可能な疾患である事を示しています。なお、動物脂肪摂取の過多がガンに結び付くことは、米国へ移住した日本人の研究からもたらされました。移民した日本人は、米国で牛肉など肉食し、伝統的日本食である低脂肪食を食べなくなりました。

食事性動物脂肪の多食は、ガンの促進剤として作用し、動物脂肪でない因子が、総物性脂肪に作用し、例えば、悪玉菌が食物線維の少ない腸内で動物性脂肪に作用し、発ガン性物質の活性を高める、と考えられています。このようなことから、大腸ガン、乳ガン、肺ガンなどの予防のためにも動物性脂肪分の摂取量を減らすべきです。特に、近年、日本人も食生活の欧米化で動物性脂肪の高摂取で、これらのガンが増えています。逆に、米国人は、登録栄養士らの啓蒙活動により、野菜や生の果物の摂取が増え、動物性脂肪の摂取が減り、これらのがんの発症率も減少し、日本とは真逆の傾向が見られます。なお、動物性脂肪は、心臓病にも良くないので、オメガ-3不飽和脂肪酸(EPA、DHA、α-リノレン酸など)に変えるべきです。

また、バーキッド博士らの研究によると、食物中のセルロース、リグニン、ガム、ペクチンのような非栄養性線維は、結腸ガン、直腸ガンを予防する、と報告しています。食物性線維は、拡張性因子として作用し、糞便中の発ガン物質(インドール、スカトールなど)を希釈し、腸管通過を早めます。また、肺ガン、大腸ガン、膵臓ガン、前立腺ガン、それに腎臓ガンなどは、蛋白質を大量に摂取すると、危険率が高まります。実験動物での研究では、発ガン現象は、蛋白質摂取が最高の生長に必要な最小値か、それ以下である時、抑制されます。また、糖質の大量摂取は、女性において膵臓ガンの危険率を高め、イモ類を大量摂取すると、男女とも肝臓ガンの危険率が高まり、デンプン類を頻回摂取すると、胃ガンや食道ガンの危険率が高まり、逆に、デンプン類の少量摂取と共に砂糖を大量摂取すると、肺ガンの発生率が高まる、と報告されています。結局、バランスのとれた食習慣がガン予防に繋がります。そして、これらに詳しい管理栄養士への相談が賢明です。更なる研究の積み重ねが待たれます。

References
Ewan Cameron and Linus Pauling. Cancer and VitaminC.1979  by Linus Pauling Institute of Science and Medicine
Richard A. Kunin. Mega- Nutrition. 1980.John L. Hochman Books
George E.Berkley. CANCER. 1978 by Prentice-Hall, Inc


白血病マウスへのビタミンCの延命効果について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-09-26 15:39:16 | 健康・病気
Pauling博士らの研究では、6週令の白血病AKBR/Jマウス(♂)に、ビタミンCを飲料水に250mg%入れ、飲ませ、対照マウスには飲料水のみを飲ませた。なお、脾臓重量250mg以上のマウスのみ白血病で死亡したと考えられた。また、ビタミンC投与による防御効果は、生存時間が、対照の平均48週に比べ、ビタミンCグループは平均72週であった。これらの結果から、ビタミンCのマウス白血病に対する延命効果が明らかに認められました。

同様の研究では、6週令の白血病マウスにビタミンCを飲料水に250mg%入れ、飲ませ、対照は飲料水のみを飲ませた。胸腺重量100mg以上、脾臓重量250mg以上の白血病マウスが死亡しました。この2つのグループの死亡率は、50週まではビタミンCグループは調べていないが、50週以降では、ビタミンCグループの白血病の進行率の遅延と死亡率の低下が、明らかに認められた。これらの結果から、前研究と同じように、ビタミンC投与グループのマウス白血病に対する延命効果が、明らかに認められます。

また、マウス白血病進行の抑制効果では、白血病ウイルスを接種されたマウスに、ビタミンC入り飲料水と、対照マウスに飲料水のみを投与し、実験終了後、脾臓の重量を測定しました。その結果、白血病ウイルス接種による脾臓の肥大は、対照に比べ、ビタミンC投与グループでは抑制され、白血病の進行が抑えられたことは明らかだった(P<0.001)。更なる研究の積み重ねが期待されます。

References
Ewan Cameron and Linus Pauling. Cancer and VitaminC. 1979 by Linus Pauling Institute of Science and Medicine
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マウス固形ガンへのビタミンCの効果について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-09-25 10:28:23 | 健康・病気
テエクイック博士らの研究では、増殖するマウス固形ガンにX線を照射し、ガンの制御に及ぼすビタミンCの効果を研究しました。スイスマウスは実験期間前とその期間中、1週間、蒸留水と蒸留水に0.1%のビタミンCを入れたものを飲んだ。なお、マウス固形ガンは、スイスマウス(♂、♀)の後肢にエールリヒ腹水ガン細胞を注射することにより発症したものであった。なお、ガンの増殖は、蒸留水のみを飲んだマウスで、著しく早い事が分った。

ガン細胞注射後2日目に、ガンに罹った肢は、1回目、400ラド、500ラド、600ラド、700ラドをそれぞれ、6回照射した。続いて24時間後、400ラドを10回照射した。そして、続いて48時間後、400ラドを11回照射した。結果は、700ラドを6回照射したマウスに、蒸留水のみが24時間ごとに与えられ、別の群に蒸留水+ビタミンCも24時間ごとに与えられた。その結果、ビタミンC群は、約80~85%のガンの抑制が達成され、ガンの治癒率は蒸留水のみの群より、ビタミンC入り蒸留水を飲んだマウスで良好であった。全暴露レベルでは、ビタミンC入り蒸留水群マウスは、ガンの制御の改善は明らかだった。なお、ガンの増殖は蒸留水群において、ビタミンC群より急速だった。また、ガン増殖率の違いは、約2週間顕著になり、時間を追って著しくなった。

全身に放射線を照射したマウスのLD50/30(致死率50%と30%)は、蒸留水のみの群で高かった。両グループの相違は、全身に550ラドを照射した時、著明であった。ビタミンCは死亡率のカーブを左に移動させるようです。ビタミンC群は、蒸留水群よりLD50/30が50ラド低かった。このことは、ビタミンCがこれらマウスの全身に放射線を照射した時、細胞致死効果を高めることを示唆しています。また、ビタミンC群は、蒸留水群に比べて、ガン重量が低い結果でした。同様に、ビタミンC群は、蒸留水群より放射線療法の効果を高める事が判明しました。更なる研究を期待しています。

References
Ewwan Cameron and Linus Pauling. Cancer and VitaminC. 1979 by Linus Pauling Institute of Science and Medicine



マウスの皮膚ガンへのビタミンCの効果について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-09-23 17:12:46 | 健康・病気
ガンへのビタミンCの効果については、多くの研究が報告されています。今回は動物での研究について考えていきたい、と思います。

Pauling博士らの研究では、ヌードマウスに紫外線を照射し扁平細胞ガンを発症させ、一方のグループには普通の餌+ビタミンCを投与し、もう一方のグループには普通の餌のみ与え、皮膚ガンの発生率を比較すると、普通の餌+ビタミンC投与群は、普通の餌のみの投与群に比べて、皮膚ガンの発症率が低かった。これらの観察から、 ビタミンC添加がマウスでの皮膚ガン病変の形成を遅らせることが、明らかです。なお、統計でのP値が低い事からも統計学的意義は高いと考えられます。この研究から、Pauling博士らは、食餌中のビタミンC量の増加に伴い、悪性腫瘍の病変を有するマウスの数の減少を観察しています。

なお、食餌中のビタミンC含量が13%の時、ガン病変がいちばん小さくなり(約6.0%)、それ以下でも、それ以上でも病変が大きくなることが分ります。また、ビタミンCを9.2%含む群は約8.5%の病変で、ビタミンCを19.2%含む群は9.2%の病変よりは大きかった。なお、19.2%群は、ビタミンCの半分がビタミンCナトリウムであったので、大量のナトリウムイオンの毒性が、この群で認められた可能性があります。このことから、皮膚ガンに対し、ビタミンCが効果がある事が分ります。更なる研究が期待されます。

References
Ewan Cameron and Linus Pauling. cancer and VitaminC. 1979 by Linus Puuling Institute of Sciens and Medicine.


ビタミンCとガンの関係の研究について その二 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-09-18 10:39:45 | 健康・病気
その一に続いて、ビタミンCとガンの関係についての研究を紹介します。
●Kameron博士らによると、ビタミンCは亜硝酸塩とアミノピリンの反応によるラット肝がんの発生を抑制します。●Deucher博士らの研究によると、放射線療法を実施したガン患者に、短期間、4g/日のビタミンCを投与し、ある程度の臨床上の改善が認められた。●Meyer博士らの研究によると、多くの末期ガン患者の補助療法において、非経口的(点滴)にビタミンCナトリウムを用い、著明な改善がほとんどの患者で認められた。

●Jungehelt博士らの研究によると、ビタミンCがヒト血中濃度において、一定の値に達すると灰白髄炎ウイルスを不活化します。●Stone博士の研究によると、ウイルス性疾患に対し、動物とヒトは、ある程度、ビタミンCの摂取を増やすことにより、予防できる。●Anderson博士らは、ビタミンCの抗ウイルス作用、抗菌作用、抗ストレス作用などを報告しています。●Warren博士らの研究によると、外科手術中、幾人かの患者の末梢血管中にガン細胞が認められたが、これらのグループはほとんど健康であり、数年後、治癒しました。このことは、宿主防衛のメカニズムが存在したと考えられます。●Schlegel博士の研究によると、膀胱ガンはビタミンCにより予防でき、再発の予防のためには、1.5g/日の摂取が望まれます。●ストック、カーン、メインスコ、ベルケ、ブレスコ、チョップ、ヒギンソン博士らは、ガンに対するビタミンCの有効性を報告しています。

●Cameron博士によると、彼の経験では、ビタミンCは、ガンに対し体が持っている防御力を高める点において、非常に価値があります。●Saccoman博士によると、彼は、1971年以来、ガン患者の治療にビタミンCを用いており、多くの症例において大変満足する結果です。Good博士によると、ビタミンC療法は、感染症とガンの成長を防ぎます。そして、そのことを断言します。

References
H. L. Newbold. VitaminC against  Cancer. Stein and Day/ Publishers. 1979
Richard A. Kunin. MegaNutrition. Hochman Books.1980
L. Pauling. Cancer and VitaminC. (1979)Linus Pauling Institute of Science and Medicine.
Stone,I. (1972)The healing factor: vitaminC against desease. Glosset and
Dunlap.