肝硬変で広範な肝臓細胞の損傷を受けたアルコール飲料大量摂取者は、対照に比べて白血球ビタミンC値が著しく低く、平均ビタミンC値は65.6ナノモル/10の8乘Wbcで、対照は100ナノモル/10の8乘Wbcであった。また、手術患者は、手術後ビタミンC値の著しい減少が見られ、手術後のビタミンCの測定値と白血球の間には、著しい相関が認められた。外科手術は、ビタミンC要求量の増大を伴い、手術後3日で循環ビタミンC値が42%ほど減少しました。これらの発見は、アルコール大量飲用者、手術患者にビタミンC補給の必要性を提起しています。
リンチ博士らの研究では、気管支ケイレン患者にビタミンCを500mg/日投与すると、ヒスタミンが原因のこの疾患を治すと報告している。シャルマ博士らの研究では、モルモットの排卵期にはビタミンCが枯渇し、妊娠8週から胎盤ビタミンC値が減少し始める。また、正常な月経周期の婦人の胎盤は、PGF2α/PGE2比が約0.6で、月経困難症の婦人では、この比は0.9から1.3の間であった。また、月経困難症の婦人の白血球ビタミンC値は正常な婦人より低かった。これらのことから、ビタミンCは、これらの比をコントロールし、アデニール/グア二レイトシリダーゼのシステムを形成すると考えられます。
ウイルソン博士らの研究では、ビタミンCが壊血病時の食欲低下を改善し、アレルギー疾患時の味の識別の改善に関係しています。なお、脳でのビタミンC値が危険値以下に低下した場合、食欲も減退します。そして、組織ビタミンC値が減少した時、細胞の電気ポテンシャルも減少します。また、細胞の電化ポテンシャルは、アレルギー症状の進行に伴い減少します。食欲は、神経のフィードバックメカニズムによりコントロールされ、その活性化は、ビタミンCが枯渇した組織の細胞電気ポテンシャルの減少により決まります。
References
A, Hunk. VitaminC. Hans Harber Publisher. 1982
ガンの恐怖と共に、心臓疾患、脳血管疾患も人類にとって、戦争と共に恐怖の原因となっています。今回は、栄養素のビタミンとこれらの疾患との関係について考えて行きたいと思います。
Stone博士によると、一日にタバコを一箱吸う喫煙者は、年齢に関わらず非喫煙者に比べて、脳・心臓疾患の罹患率と死亡がが約2倍であり、また、不飽和脂肪酸類は、酸化されると動脈硬化の原因である過酸化脂質になります。ビタミンC(還元型ビタミンC)と天然型ビタミンEは天然の抗酸化栄養素で、食品とサプリなどで十分これらを摂取すれば、脳・心臓血管系疾患に対し防御力を高める、と報告されています。ビタミンEのほうがもっと重要であるけれども、ビタミンCもまた重要です。ビタミンCとビタミンEを肝臓や腎臓に負担をかけない適正量摂取するなら、早老の予防になるし、現代人のように多価不飽和脂肪酸の多い食事習慣の人では、これらのビタミンは、特に多く摂取する必要があります。血中悪玉コレステロール値の高い人は低い人に比べて、脳・心臓血管系疾患の発生率が高い、と報告され、動物性脂肪のの高摂取は血中悪玉コレステロール値を高めます。なお、ジンター博士とスピットル博士らは、ビタミンC(還元型ビタミンCのこと)の摂取量を増やすと血中悪玉コレステロール値を下げる、と報告しています。
また、別の研究では、ナイアシン(ビタミンB3のこと)の摂取量を増やすと、血中悪玉コレステロール値を下げる、と報告しています。コードキン博士は、冠状動脈・心臓疾患の発生率と砂糖の消費量の関係を研究し、1年に73kg以上の砂糖を摂取する人は、1年に27kg以下しか摂取しない人に比べて、どの年齢でも冠状動脈・心臓疾患に罹る率は、16倍高いと報告しています。
References
Earl Mindel's Vitamin Bible, 1982
Stone,I. (1972) The healing factor:VitaminC against disease. Grossetand Dunlap. New York
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