栄養医学ブログ

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環境性発がん物質による膀胱ガンとビタミンCの関係について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会

2024-08-30 10:33:54 | 健康・病気

近年、食品添加物や環境性化学物質による発ガンが、研究者により報告されています。人々の間では、膀胱ガンの発生は、いろんな化学物質の摂取・吸引により内因性に形成された発ガン物質が尿中に存在する結果である、と考えられるようになりました。

4アミノビフェニール、ベンチジン、2ナフチルアミンなどの製造に従事した人達での膀胱ガンの多発は、吸引した芳香族アミン類から内因性に形成されたオルトハイパロキシイ誘導体やハイドロキシルアミン誘導体が尿中に遊離した時、発ガン物質として働きます。このような、体内で他の物質から形成された誘導体は、実験的にも膀胱ガンを生じるので、このような理由から、栄養成分アミノ酸の一種のL-トリプトファンから体内で生じる、オルトアミノフェノール代謝産物の発がん性の可能性について、研究者等は関心を示しました。これらトリプトファン代謝産物の内、5つはヒト尿中に見出され、そのうち4つは、マウスの膀胱に移植されたとき、発がん性を示しました。その4つの代謝産物は、それぞれ、3-ハイドロキシアントラニール酸(3-HOA)、3-ハイドロキシイキヌレニン(3-HOK)、2-アミノ-3-ハイドロキシイアセトフェノン、キサンッレン酸の8-メチルエーテルです。また、おそらく、ガン患者は、これらの代謝産物の濃度が通常より高く、このような高い尿中濃度は、膀胱粘膜への発ガン性を有していると考えられます。

ボイラント博士とウイリアム博士は、10名のガン患者で、正常な被験者が尿中に排泄するより、高濃度の3-HOAと3-HOKを排泄することを発見しました。また、プライス博士らは、ガン患者の50%が、高濃度の3-HOK有有することを発見しました。なお、3-HOAは、尿中の酸化還元環境の変動により、その安定性が変化し、鉄イオンや銅イオンの含有量が尿中で変化することにより、安定性に変化が見られます。そこで、尿中にビタミンCを入れてやると、3-HOAが安定すると考えられます。

また、尿中の化学ルミネッセンス(発光現象)は著しく変化するが、正常な人々に比べて、喫煙者や膀胱ガン患者の尿中ではもっと高い値です。なお、マウス膀胱に3-HOAを入れたその結晶は、尿中ビタミンC値が高値であれば、その結果として、発がん性を示すかどうか調べることは興味を引きます。研究では、マウス膀胱に入れられた3-HOAの結晶は、その尿中ビタミンC値が高値の時、発がん性を示さないことが分りました。ビタミンCのような抗酸化栄養素が尿中に存在することは、少なくとも、3-HoAによる発ガン性に関しては、防止効果があると考えられます。そして、更なる研究が期待されます。

References

J.V.Schlegel, et al. The role of ascorbic acid  in the prevention of bladder tumor formation. Journal of Urology. Vol,103, 1970

I.V. Schlegel. Proposed  uses of ascorbic acid  in prevention of bladder carcinoma.Ann. N.Y. Acad. Sci. 258:432-438

 


アテローム性動脈硬化症とビタミンCの関係について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-08-29 10:30:11 | 健康・病気

アテローム性動脈硬化症は、脳梗塞、心臓の冠状動脈硬化症による狭心症や心筋梗塞、それに細小血管脳梗塞、足などの末梢血管梗塞などの原因となり、人々を苦しめています。アテローム性動脈硬化症の原因となる悪玉コレステロール値の高値は、ビタミンCの高摂取により改善するという研究が報告されています。

オドユムソ博士らは、ビタミンCのコレステロール代謝のコントロール作用を研究するため、オスのモルモットにコレステロールを入れた壊血病発病食を毎日投与し、組織コレステロール値の上昇が、組織ビタミンC値の広範な枯渇と共に、同時にもたらされました。これら高コレステロール血症のモルモットは、毎日、ビタミンCを10日間摂取したものと、しないものがあり、高脂血症治療薬のクロフィブイレイトと山芋成分のジオスゲ二ンを摂取していた時、体重、血漿、それに肝臓のビタミンC値、総コレステロール値の変化が観察された。クロフィブレイトとジオスゲニンは、体重、ビタミンC値、総コレステロール値の減少をもたらしたが、それに反して、体重と組織ビタミンC濃度は、ビタミンC単独投与群、あるいは、ビタミンCとクロフィブレイトとジオスゲニンとの併用投与群では、増加しました。なお、クロフィブレイトとジオスゲニンのコレステロール低下作用は、高コレステロール血症のモルモットにビタミンCを毎日投与することにより強められました。これらの研究から、ビタミンCは、高脂血症治療薬のクロフィブレイトと山芋成分のジオスゲニンを摂取する高コレステロール血症のモルモットのコレステロール代謝のコントロールに、重要な役割を有すると考えられます。これらの研究から、動脈硬化症の予防と治療へのビタミンCの応用が期待されます。更なる研究が待たれます。

References

Stone,I. (1972)The healing factor; VitaminC against disease.Grosset and Dunlap, New York


食品添加物の亜硝酸塩による発がんへのビタミンCの効果について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-08-28 10:34:31 | 健康・病気

ハムやソーセージの発色剤として用いられている添加物の亜硝酸塩は、多くの食品中に見いだされるが、これらの食品に添加したビタミンC、もしくは、元々、食品中に存在するビタミンCが、亜硝酸塩由来の発がん性のあるニトロソアミン形成に対し、防御作用を有する事は重要です。さらに、ビタミンCがN-メチル-N-ニトロソグアニジン(ニトロソアミン類の一種)による細菌の突然変異を阻害することを、アメステストで証明されました。

マークアルト博士らは、亜硝酸塩で処理した食品で、発がん性のある突然変異誘発活性を証明し、このことは、ヒトの胃ガンが食事性因子に関係し、この食事性因子は、ビタミンCにより減らす事ができる、と考えています。また、ハムやソーセージの発色剤の亜硝酸塩は、ある種の医薬品と反応しニトロソ化され、N-ニトロソアミンを生じガンになります。ビタミンCはこの発がんを阻害します。塩干魚と漬物に含まれるNO2-は、第3級アミンを有する医薬品と反応し、ジメチルニトロソアミンを生じ胃ガンの原因になります。これをビタミンCが阻害します。これらの研究から、ニトロソ化される医薬品については、ビタミンCを同時摂取することが望ましい、と考えられます。更なる研究が待たれます。

References

Ewan Cmeron, et al. VitaminC and Cancer.  Cancer Research. Vol39, March, 1979


ガンとビタミン、必須ミネラル摂取との関係について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-08-27 10:32:48 | 健康・病気

ビタミン、ミネラル類は、体内の生化学的代謝を正常化するため、ガン予防とガン患者の免疫能を高めるために必要です。Newbold博士によると、彼のクリニックでは、特に、ガン患者では、ビタミンEを200国際単位/日、ビタミンAを20,000国際単位/日、ビタミンDを800国際単位/日、ビタミンB複合体を高単位、朝食後に摂取しています。また、ビタミンCは1日4回、茶さじ4分の1をコップいっぱいの白湯に溶かし食後飲みます。胃腸の調子が良ければ茶さじ1杯まで徐々に増やします。柑橘類もビタミンPを含むので食べます。ビール酵母製剤も摂取します。必須ミネラルは、未加工食品と新鮮な野菜や果物、豆類から摂取します。なお、ビール酵母には、ビタミン、ミネラル、食物線維が豊富に含まれています。プロバイオティクスは、ヨーグルト、乳酸菌サプリ、発酵食品から摂取します。これらの栄養療法で体調が回復したり、延命効果が認められたガン患者が増えています。

ガン患者は、肝油などでビタミンAを2万国際単位、摂取が勧められているが、肝臓、腎臓機能が低下しているガン患者は、医師の観察の元に、これ以下の摂取量が勧められています。いずれにしろ、大量のビタミンA摂取による副作用が多く報告されています。ビタミンB5(パントテン酸)も218mg/日の摂取が推奨されているが、これらのビタミン、ミネラル類が、肝臓や腎臓に負担をかける場合は、摂取量を減らすことを、Newboldクリニックでは行われています。なお、博士のクリニックでは、白血病などウイルス性ガンには化学療法が有効だが、葉酸錠(ビタミンM)との併用摂取は、白血病が悪化する可能性があるので実施していません。また、どんなガン患者にも葉酸錠は摂取させていません。Newboldクリニックのガン患者への栄養療法の概略ですが、世界各国でも、標準療法に併用してこれら栄養療法を実施している医療機関が増えています。更なる研究が待たれます。

References

H.L. Newbold,M.D. VitaminC against Cancer. Stein and Day/Publishers/New York. 1979

George E. Berkley. CANCER, How to prevent it &How to help your docter fight it. 1978 by Prentice^Hall, KInc.

 

 


環境性発がん物質とビタミンCの関係について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-08-25 15:24:33 | 健康・病気

人は日常、いろんな環境性発がん物質に晒されています。食品では、野菜の漬物などに含まれている硝酸、亜硝酸塩は、食品の2アミンと反応し、発がん性物質のニトロソアミンを生成し、膀胱ガンの原因になると、報告されています。また、大気のニトロソアミン汚染は、近年、激しくなっています。米国では、ジメチルニトロソアミン値は、澄んだ空気あたり、0.0001mgまで上昇し、その値は、約0.001-0,0014mg/人/日に等しく、また、発色剤の亜硝酸塩で保存したベーコン4切れはジニトロソアミンを約0.0055mg含みます。消化器、肝臓、肺、および膀胱ガンなどの種々、実験的ガンは、ニトロソアミンにより生じる可能性があり、また、一連のニトロソ化生成物は、in vivoでは発がん性を示し、シトルリン、エフェドリン、ザルコシン、モルホリン、メチルウレア、ピペラジン、ピロリイジン、アミノピリン、ジエチルアミン、およびジメチルアミンなども発がん性を有する化学物質です。

通常、ニトロソ化は、模擬状態の胃腸において研究されるが、しかし、ニトロソアミンは、細菌、二級アミン、亜硝酸塩、硝酸塩が存在する体の部位において生成されることを、ヒル博士らは証明しました。また、他の特色は、ニトロソアミンの胎盤輸送による移動であり、呼吸器ガンは、妊娠して4日間にジメチルニトロソアミンを与えたマウスの子孫に97%の割合で発症した。なお、ビタミンCはアミノピリン、モルホリン、ピペラジン、それに半焼き魚と亜硝酸塩との反応による発がんに対し、防御効果を強めることを示しています。また、食事性亜硝酸塩とジメチルアミン、あるいは、亜硝酸塩とアミノピリンとの反応により生じた急性肝臓毒をビタミンCは減少させると、Pauling博士は考えています。これらの結果から、ビタミンCは亜硝酸塩と硝酸との反応に、もっと強力に防御効果を発揮します。

References

Ewan. Cameron, et al. VitaminC and Cancer. Cancer Research. Vol39,Page663-681,March,1979

j. V. Schlegel et al. The role of ascorbic acid  in the prevention of bladder ctumor formation, Journal of Urology. Vol103,Page155,1970