栄養医学ブログ

健康・病気に特化した栄養医学ブログをアップロードしたい、と考えています。

ビタミンDの結腸ガンへの効果について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2025-01-25 20:34:47 | 健康・病気
近年、食生活や環境因子などが結腸ガン(大腸ガン)の発育において、関係していると考えられています。また、食事と生活習慣が関係しているという強いエビデンスもあります。食事面では、赤身の肉と高カロリー食、低食物線維、それに野菜や果物の少ない食事は、運動不足と共に結腸ガンのリスクを高めます。

結腸ガンのリスクに及ぼすカルシウムとビタミンDの低摂取と結腸ガン患者の臨床での結果に及ぼす影響が研究され、ビタミンD欠乏症は、世界中で多く見られ、悪性腫瘍を含むいろんな慢性疾患とも関係しています。また、ビタミンDは、骨代謝の主たる制御機能と、抗炎症作用、免疫調整作用、抗血管新生抑制作用、それに潜在的に発ガン阻害作用を示すホルモン様ビタミンです。

Renata D'alpino Peixoto博士らは、ガンへのビタミンDの反応とガンの発育と進行へのビタミンDの潜在的役割を研究し、無作為臨床試験結果を報告しています。そのポイントは次のようです。●ビタミンDは発ガン阻害因子として作用します。●ビタミンDの血中低値は、結腸ガンのリスクを高めることが示唆されます。●ビタミンDの血中低値は、結腸ガン患者に悪い結果をもたらす可能性があります。なお、ビタミンDとガンとの関係は、世界中の研究者が盛んに研究しています。

References
Renata D'Alpino Peixoto, et al. VitaminD and Colorectal Cancer.
Cancer treatment and research communications. Vol32, 2022
Gerbenn Serophin. The impact of VitaminD on cancer. The Journal of steroid biochemistry and molecular biology. Vol231, July 2023


ビタミンCの免疫能調整作用について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2025-01-09 16:00:11 | 健康・病気
高齢化により免疫能調整作用が低下し、アレルギーやガンを発症することが報告されています。そこで、免疫能の調整を栄養医学的手段でできるのであれば、高齢者にとって福音となります。

ポニッシュ博士らは、ビタミンCの免疫能調整作用のメカニズムを研究し、ビタミンCは、末梢血液リンパ球(PBL)による他の溶解性物質のin vitroでの遊離を減少させないが、有糸分裂の結合を変えたり、末梢血液リンパ球による植物性有糸分裂の受容体を変えたりします。なお、ビタミンCは、ただ単に栄養学的効果だけでなく、免疫学的効果を有しています。また、ビタミンCの免疫能調整作用は単球により達成されます。そして、細胞機能の抑制剤の誘導は、ビタミンCが存在するとき強化されます。さらに、末梢血液リンパ球のサイクリックGMP値を増加させることが考えられます。

Anderson博士の研究によると、in vivo、in vitroでの好中球の能動性に及ぼすビタミンC塩の刺激作用と、ビタミンC塩の投与と静脈内投与に伴う有糸分裂に対する白血球の免疫能は、ミロペロキシラーゼ/水素過酸化物./ハロゲン化物システムの自動酸化作用の阻害と関係があり、免疫系刺激活性とペロキシダーゼの阻害活性は、血清ビタミンC活性と関係しています。ビタミンC塩を投与すると、MPO/H2O2/ハロゲン化物のシステムを阻害することにより、好中球、リンパ球を保護します。更なる生化学的研究が待たれます。

References
T.W, Anderson et al., Journal of the Canadian Medical Association. Vol111, Page31-36, 1974
T. W, Anderson. Annuals New York Academic of Science. Page498-506, 1979





ガンへの栄養医学的補助療法の検討 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2025-01-06 16:53:37 | 健康・病気
ガンへの栄養医学療法は、あらゆるガン患者に最高の効果にまで、栄養に基づいた、自然に備わった抵抗力を高める事です。自然に備わった抵抗力を効果的に高めるためには、生理学的手段を用いなければいけません。栄養医学療法の目的は、ガン細胞の進行性増殖に対し、出来るだけ不好都合な生化学的環境と、正常組織の健康に好都合な生化学的環境を作り出すようにせねばなりません。

栄養医学療法的アプローチは、増殖と侵襲をコントロールする、普通の生理学的メカニズムに従います。これら生理学的因子は、栄養素、ミネラル、ごく微量成分、ビタミン、ホルモンなどです。ガンへの予防・治療効果を得るため、これらの成分の組み合わせは、栄養医学療法の一般的概念です。栄養医学では、健康に必要なヒトの体物質濃度を変えることにより、予防・治療できる可能性があります。ガンへのホルモン療法はその一例です。臨床例が多くなるに従って、いろんなタイプのガンが、内分泌調整にいくらか反応し、ホルモンが直接、ガン細胞に作用しないが、ガン細胞の増殖に対し、好ましくない細胞内環境の変化のパターンを作り出すことにより、ガン細胞に間接的に作用します。そして、この根拠も数が増えつつあります。

宿主抵抗力を強めそうな、ガンの成長を遅らせそうな生理学的因子の中でビタミンは、特に可能性があり、ビタミンCは強い可能性を秘めている、と考えられます。生理学的レベルと関連して、ガンのホルモン療法に用いた、極めて大量の投与量から考えて、がんの治療効果を高めるためには、基準量より多いビタミンCの投与量は必要、と考えられます。

References
Linus Pauling. Chemi-Biol, Interactions. 9(1974)