
自衛官の「自己犠牲」に甘えるな 国や自治体は災害派遣で自衛隊を便利に使いすぎ
9/5(土) 16:56配信 https://news.yahoo.co.jp/articles/8030f0d05d8eebb16b0252350e04221b5a30e1c5
【自衛隊と災害派遣】 高速道路で自衛隊の災害派遣の隊列を見かけて、頼もしく感じたという人も多いだろう。「自衛隊さん、ありがとう!」。被災地を後にする自衛隊をお見送りする様子も動画で見かける。今や自衛隊は、日本中で信頼され愛される組織となった。



ひとたび災害派遣要請があると、トラックなどから訓練や演習用の武器弾薬や装備品を降ろし、救助や支援に必要な機材に積み替える。
自衛隊駐屯地はエレベーターのない建物が多く、人力で階段を上り下りすることも多い。この積み替え作業は重労働だ。
さらに、自衛隊車両は災害派遣時こそ高速道路を無料走行できるが、通常は「経費節約のため」に一般道を長時間走るのが基本だ。 自衛隊トラックの荷台に座っての移動で座骨神経痛に悩む自衛官も多い。被災地近くまで公共の交通機関を使う旅費すら、自衛隊員には贅沢(ぜいたく)だと国は考えるのか?


2018年4月、私は日刊SPA!の連載「自衛隊ができない100のこと」に、1枚の写真を掲載した。真冬の災害派遣要請で、とるものもとりあえず被災地に駆けつけた自衛官らが、布団も毛布もない硬い床で寒さに震えながら寄り添って眠る画像だ。
もし、輸送能力が不足するときには民間のトラックを手配する予算があれば、自衛官は自前の寝袋で寝ることができたかもしれない。が、自衛隊は自らの休養を犠牲にして被災地のための機材を積み込んでいた。
多くの自衛官は「困難に耐えてこそ自衛官」という美徳を持っているが、そのことが「自衛官に贅沢をさせるな」と考える人たちに利用され、防衛費抑止に一役買っているのもまた事実である。
当の自衛官自身が「大丈夫です、それがわれわれの仕事ですから」とにっこり笑って我慢してしまうのだから、外野の者は「そういうものか」と思う。

自衛官のこういった自己犠牲の精神は素晴らしいが、国や自治体は何かにつけて、災害派遣で自衛隊を便利に使いすぎだ。
この雑魚寝問題は反響を呼び、災害派遣時の宿営装備が大幅に改善された。十分な休養をとれた自衛官は、より精力的に動くことができるだろう。


組織を構成するのは人であり、物事を効率化させるのはシステムと物量の問題であって、精神論ではない。
いつまでも自衛官に「忍耐」「自己犠牲」を強いていては自衛隊員が疲弊し弱体化してしまう。
自衛官が十分に能力を発揮できる環境を整えること。歯止めがかからない人員不足についても、解決の糸口はこれに尽きると思っている。


■小笠原理恵(おがさわら・りえ) 国防ジャーナリスト。1964年、香川県生まれ。関西外国語大学卒。広告代理店勤務を経て、フリーライターとして活動。自衛隊の待遇問題を考える「自衛官守る会」代表。現在、日刊SPA!で「自衛隊ができない100のこと」を連載中。著書に『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)。
昨年の10月には
大阪・和泉市で70歳の女性がバイクで転倒したと110番したが、警察が発見できずに和泉市長経由で大阪府知事が自衛隊に『災害派遣?要請』
したという件もありました。 このような事案に軍隊を 『災害派遣』 する国が世界にあるのか?と、疑いました。
気軽に無料の便利屋を頼むように、大阪府や和泉市は府や市の職員を動員する訳でもなく、安易に「自衛隊にやらせる」ような無責任な地方政府(都府県や市)のトップがいることに驚きです。
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