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田舎ぐらし(47)

ー 田舎の住み心地 ー

 菜園に置いた長いす。住まいは右手。

 田舎に移住する人が増えているそうである。
ただ田舎ではびっくりするような“事件”も起きる。ある著名な経済評論家が地方に移住した友人の家を訪ねた折のことを披露している。

 友人宅に到着すると、どこで聞きつけたか時間を置かず、近所のおばさんが漬物を持って集まってきた。夕方になると、おじさんが集まってきてそのまま宴会になった。

いつも誰かに見られているということらしい。

 私も驚いたことがある。越してきてすぐ、玄関のチャイムが鳴った。応対に出ようと上がり框まで出てきたところ、ドアがガチャガチャと大きな音をたてている。取っ手を引いてドアを開けようとしているのである。こちらの応対などお構いなし。
事務室のドアなんかいきなり開くことはしょっちゅうである。

 もうひとつ、来てまもなく人が訪ねて来た。自治会に入れという。「今考えている」と言うと、「入らないなら、出る所へ出てもらわないと」ときた。「えっ、裁判所?」と大いに驚き、「出る所って?」と聞くと、役場だと言う。大まじめである。危うく吹き出すところだった。

 とりあえず、回覧板は無用と断った。役場のホームページを見ればわかることを重ねて紙に書いて回すなど無駄である。

 昔は近所で助け合って生活してきた。不幸があると、近所の者が親戚や知人に連絡をしてやり、手分けをして料理をつくり、見舞客の受付をし、お坊さんの手配をし、棺桶をかついで墓場へ行った。墓場に着くと男たちの手でもうちゃんと穴が掘ってあって、仏さんを下ろして土をかけた。確か〇〇講などというのがあって、今の自治会に比べるとはるかに結びつきが強かった。

 今は大抵の事は電話一本で業者がやってくれる。その分近所の関係は希薄である。先日もウォーキングの途中、顔見知りのおやじさんが溝さらいをやっていたから、「一人でやっているんですか?」と声をかけたら「誰もやらないから」という答えが返ってきた。公園で会った知人は「会長をやっている。もう任期は過ぎているのに、だれも引き受け手がいない」とこぼしていた。

 そもそも現役の間は3年おきの転勤。どこへ行っても自治会なぞ入ったことはなかった。任意組織である。回りの評判が気になるなら入ればいい。気にならないなら入ることはない。

 ・・・ちょっとした “ 事件 ” はあったが、それも今では笑い話。総じて東京より住み心地はいい。住み心地がいいのは畑のおかげである。畑に出ていると、見ず知らずの人が声をかけてくる。まわりには気の合う人もいれば、口をきかない人もいるが、そういうのは二の次。

( 次回は ー インターバル速歩  ー )
 

 


 

 

 

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