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田舎ぐらし(78)

ー 大学には行かない ー

 

 昔、中学を出ただけでも就職口はわんさとあった。中卒が金の卵と、もてはやされた時代である。社長が駅まで迎えにきてくれ、親元に「お子さんは確かにお預かりしました」と手紙を書き、「ちゃんと貯金もさせますから」と余計なことまで書き足した。 そこにはこの子は親からの大切な預かりもの、という田舎の親との間の、問わず語らずの了解があった。古き良き時代だった。

 閑話休題: 今や、高校進学率は98.8%に上る(文科省資料)
先日、新聞で関東のある商業高校が全商検定で日本一になったという記事を目にした。
 全商検定というのは全国商業高等学校協会が行う検定である。簿記や会計など9種目についてビジネスに関する実践力を証明するものらしい。

 入学の時から熱意のある生徒が多いという生徒は入学の時、既に自分の進む道を決めているのである。採用した会社は配置する部署にもよるが即戦力として使える。生徒の方も数字が読めるから、すぐに会社の元気の度合いがわかる。

 問題は会社の方の処遇である。
およそ給料はそれぞれの従業員の貢献度によって決まるべきものだろう。単に大学を出ているからとか、男だからとか女だからとか、年齢がどうとかいう理由で差をつけるのは理屈に合わない。

 大学に入ったはいいけど、卒業のとき簿記3級の資格しか持ってなかったという話を聞いたことがある。東京都がやっている6か月のセミナーでも真面目に勉強すれば簿記2級は取れる。しかも無料である。  

 学歴とか男女の別、年齢によって給料を決めるやり方はだんだんすたれていくのではないだろうか。
 そうだとすれば、学者を目指すならともかく、なにも4年という時間を費やし、数百万という金をかけて大学へ行く理由はないように思える。

( 次回は ー遺言は絶対ではないの?ー )

 

 

 

 




 

 


 

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