ー 蝶は可愛い? ー
蝶々を嫌う人はいないと思っていた。
ランドセルを背負ってすぐに教えてもらった歌のひとつが
♪ ちょうちょ ちょうちょ 菜の葉に止まれ・・・ ♪
だった。愛らしい昆虫の代表と言ってもいい。バッタが飛んでも可愛いとは思わない。
ところが、嫌う人がいたのである。ウォーキングの途中、何気なく左手の畑を見ると、顔見知りの親父さんが帽子を手にヒラヒラ舞う蝶を叩き落とそうと追い回していた。「なんてことをするんだ」と腹が立った。
調べてみてわかった。
蝶はキャベツに卵を産みつけ、卵から孵った青虫はキャベツの葉を食べて穴だらけにする。ひとつでも穴があいていたら、日本の多くのご婦人はお買い求めにならない。
穴をあけられないためには、帽子では間に合わない。殺虫剤の出番となる。
一方で、むしろ穴があいているのがいい、というご婦人もいらっしゃる。殺虫剤は厭だという訳だ。
かくして、スーパーの客は無穴派、穴派、その他大多数の無関心派に分類される。
写真は菜園を始めて間もなくのキャベツ。青虫にだって生活がある、と最初は鷹揚にかまえていたが、当地の青虫はこちらの生活などかまってくれない。「そっちがそういう態度なら」と今年はキャベツの畝をネットで覆った。
( 次回は ー 大学には行かない ー )