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田舎ぐらし(162)

 ー 新聞を よいしょ  ー
 
  

 「暇だなー」とか「今日は何して過ごそうか」と思う日はまずない。
仕事に行っている訳でもないのに、退屈などせずに一日を終えている。朝起きると食事の支度を手伝い、朝食が終わると1時間ばかり書斎で過ごし、その後着替えて運動公園へ体をほぐしに出かける。

 公園の並木通りを歩いていると、結構人と行き会う。ほとんどワン公連れである。時折ワン公を指さして「あっ、タヌキだ」とからかってやる。傍の山の神が「よしなさいよ!」と睨む。ワン公も睨む。

 運動から戻ると新聞に目を通し、興味を引いた記事は切り抜いて取っておく。新聞は一番の情報源になっている。一日を退屈に感じないのは新聞に依るところが大きいような気がする。

 そこには記者はもちろん、これまでの人生で接したこともない人がいろんなことを書いている。紙に書かれたものからはテレビやスマホの文字や画面からは得られない信頼性と重みが伝わってくる。
 文章を書くという作業は何億という脳細胞に働いてもらわないとできないのではないかと思う。自然、読む作業も多くの脳細胞のご出陣が必要になる。ここから書いたり、読んだりすることはボケ防止に効くという我流の結論に行きつく。

 テレビも観るがどこの局も品のないコマーシャルやお笑いばかり。うんざりしてNHKのニュースに切り替えると今度は言葉でがっかり。先日も「電柱がなぎ倒されています」というから、大変だ、10本も倒れたかと思って見たら、1本倒れているだけだった。

 そんなこんなで何か特別なことをやっているわけではない。それでいながら、「今日は何をやろうか」と考え込むことはない。

 

 

 
 
 
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