昨日(11日)は午前7時外出いたしまして梅田の叔父の家へ立ち寄りお世話に相成りました。
午前11時ごろ、堺から姉様と小春(妹)と子供が来まして面会いたしました。誠にありがとう。
皆様の達者なことを聞きまして安心いたしましたが、貴女(妻)に会われないのが淋しかった。
しかし貴女には私に対して無情で無事をよく察しております。また、私に対して重大な責任を持っているという事です。
それは私の出征後生まれ出でたる私の子供のために、私の目に会うまでは大切に育て上げなければならないのです。
どうぞ四季の風期によく気をつけ責任のためにお達者でお暮しなされるよう、神かけてお祈り申し上げます。
私も久方ぶりに出産を子供を一目見たい。一目見たい。しかしそれは決して許されないことだ。
私は国家のために皇国の名誉のためにこの身をささげた身だ。自己のため、妻子のために涙など決して出すことはできないのだ。
だからどうぞ貴女も出征軍人の妻だから決して女々しきことは無いように。あまり他人のお世話にならぬように心がけて務めていただきたい。
それでないと私も心苦しく責任の重大になることと思うのです。貴女も産後のことなればあまり責めるようなことになってあいすみませんがお許し下され。
「軍人なれば、軍人の妻なれば」という文面が見られます。世の中全体がそのような風潮であることにに国民は疑いを持たなかった。まだ日中戦争がはじまったばかりで、日本軍の強さを信じていた、そんな時代でした。
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