最近友達に「スーパーマン×バットマンが人気」といったら「あーアン●ンマン×バイキ●マン的な。」っといわれた。
ちがうの!バットマンは悪い人じゃないの!!確かに会社のお金横領して、気に入った子がいたらその子を誘拐とか、自分の正体がわかった相手が発狂して「よかったよかった」で終わる人だけど悪い人じゃないの!!
・・・うん。た多分悪い人じゃない・・・はず・・。
今回はゲド戦記に触発されてのバットマンファンタジーです。とゆうか光の民と闇の民のくだりが書きたくて書きました。
羊の歌が聞こえる。風使いが運ぶ風が頬を通り、大切な人を失った涙は乾いていった。
夕暮れの唄
100年前からつづく闇の民と光の民との戦争は終わりが見えなかった。国は正義のなのもとの略奪により衰え、弱っていた。
しかし始まった戦いはどちらかが倒れるまで終わることはない。
闇の民はその心を病ませ、世を混乱に落とそうとする人々だ。
彼らは人の心の闇に入り込み支配する。
それを守り照すのが光の民の仕事だ。光の民は神からもらった特別な力や才能を持っている。
二つの力の均衡は保たれ、平和であり悲しみもある世界、だった。
均衡は破られた。闇でも光でもなく銅の民によって。
銅の民は闇に侵され、光に守られるものだ。多くが日常的なこと、素朴なことを愛した。
しかし100年ほど前、銅の民はそれを忘れてしまった。銅の民は民の多さからか、少数派の闇と光を狩る楽しみを覚えてしまったのだ。
世界とはバランスだ。
しかし闇と光に引き合うはずの銅が引き合うことをやめてしまった。バランスは崩れ、全ての民の心のバランスは壊れてしまった。
闇は光を取り込むため、光は正義の名の元に、銅は異質なる物を認めようとしないために―
夕暮れを山間を一人の青年が飛んでいく。比喩ではなく木と木の間を飛んで行くのだ。
青年の瞳には複雑な色が込められていた。期待と不安、悲しみと嬉しさ、迷い―
ダミアンは暖炉で飛ぶ火の粉を見ていた。外は街灯一つもなく暗い、山の奥に家があるのだ。
鞣し革を手入れし机の上に置いてあった小刀を手に取った。
ルーン文字でかかれたその名をなんど諳じたことか。
しかし少年であるダミアンにとって、それは会ったこともない父を繋ぎ止める一つだけの方法だった。
「…ブル―」
その時、ドアが開けた。
「言って…その名を。」
ドアを開けたであろう人がそこには立っていた。長く、青黒いマント。細身の体に荒い吐息―
「真の名を―」
「…ブルース…」
マントの男は笑った。
「迎えに上がりました。和子。」
膝をおり優雅に頭を垂れる―
「夕暮れの民の和子…ブルースの息子…。」
ダミアンは小刀を握り締めた。13年、逃れ続けた事実を前にして。
「和子、お父様の凶報はお聞きかと思います。なれば話は無用、一刻も早く民を束ねるべきで―」
「まどろっこしい話し方、むかつくんだけど。」
ダミアンは青年に言った。
「…そうだね。影の民なのに。」
青年の口調が砕けたものへと変わる。
「僕の名はナイトウィング、ブルース―夕暮れの長に使えていた。」
夕暮れの民、それは3つの民を暗躍する影の民だった。
闇を駆けて、光と常に隣にある。そしてそれは銅の民から生まれることが多かった。
人でもなく、神から力を与えられたのでもなく、闇にこの世を引き込むでもない、夕暮れの民は孤独と戦い、仲間を求めさすらう民だ。
「いやだ。それに元々夕暮れの民は子を残さないものだ。世襲制でも無いのになぜ俺が訳のわからん民にならなきゃならない?」
もっともダミアンは闇の民に近かったが。
「だからこそだ。ブルースは素晴らしい長だった。そして導きを待つ民もいる―いいや、違うか。」
ナイトウィングは自嘲気に笑った。
「民を、増やし、民の孤独を無くすために君が長になるように今日ここに頼みにきたんだ。」
ダミアンは夕暮れの民の感で気づいた。
さっきドアを開けたのは彼では無かった、開け放たれた扉は未来への道であり、ドアを開けたのは紛れもなく運命の風だった。―
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ゲド戦記に触発されてやりたくなったファンタジーパロバットマン。と言ってもバッツの死から始まってますが。