>>バナナの少年
3・11からまもなく1人のベトナム人記者が取材で
被災地に入った。避難所で少年にインタビューする。
少年は津波で両親を亡くし、激しい寒さと飢えで
震えていた。一つのおにぎりを家族で分けて食べる
ような状況だった。
記者は見かねて少年に自分のジャンパーを着せかける。
その時、ポケットから1本のバナナがぽろっとこぼれ
落ちた。記者が、
「バナナ、欲しいか」と問うとうなずくので、手渡した。
ところが、少年はそれを食べるのでなく、避難所の片隅に
設けられたみんなで共有の食料置き場に持って行き、
もとの場所に戻ってきたという。
記者はいたく感動する。帰国すると、
<こういう子供はベトナムにはいない。……>
と報道した。この記事が大変な反響を呼ぶ。
かつて、ドラマ「おしん」が大人気になったお国柄だ。
ベトナムからの義援金は100万ドル(約8000万円)
にのぼったが、このうち、
「バナナの少年にあげてください」
という条件つきが5万ドルもあったというのだ。
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