「ラーメン」
塩ラーメンを注文した
どうやら新人さんがラーメンを作るらしい
初めて見る顔である
しかし見ているとどうも手つきが悪い
しかも横から古株の店員が小声で時々アドバイスしてる
あー麺がのびてしまいますよ…
それでは、スープが薄くなりすぎます…
器のふちはきれいに拭いて下さいね…
(ぜんぶ聞こえてますけど…)
(あのラーメン、私のんやろ、店出よかな)
しまった
あまりにこの場所から離れたいと思いすぎたので体から意識がはなれてしまった
私は体から意識を離す事ができる
離した後の意識は形も大きさも自由自在である
店の外から店内の自分をのぞいて見た
目の前のラーメンをまばたきもせずジッと見つめたまま固まっていた
「さあ、自分の体にもどるべきか、どうか・・・」