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シロガネの草子

上皇后様の御装束(小袿、五衣、袿袴編)其の2


上皇后様が祭祀の時に御召しの小袿、袿袴を御紹介します。


 こちらは平成21年(2009)、上皇御夫妻の御成婚50年に際して放送されたNHKスペシャル「象微天皇 素顔の記録」より。
 
3月20日(春分の日)の祭祀「春季皇霊祭▪春季神殿祭」での上皇后様。













御拝礼を終えられて、御退出される上皇后様。

白地の御小袿に萌黄の御単衣を御召しになられています。


ちらは上皇后様が御拝礼の際に御召しの御小袿と御単衣。
  


 この御小袿は▪▪▪▪シロガネの推測で申し訳ないのですが、白地に
横繁菱文(よこしげひしもん)の下文に梅の丸と桜の丸文に、霞み紋の上文の二陪織物だと思います。そして、重ねの色目は柳襲(表白▪裏▪淡青)かなと思います。春の重ねですし、3月の時期に相応しいのでないでしょうか。

 表地と裏地の間の中陪の色の問題がありますが、シロガネの手持ちの資料では一致するのがなく、似た感じのを選びました。

御単衣は、幸菱文綾だと思います。

 そしてこちらは、80歳の御誕生日に公開された映像で、祭祀で御拝礼の際に御小袿を御召しの上皇后様。



 この御小袿は、夏ものだと思います。いつもの白地ではなく鳥の子色のようです。単衣は朽葉色のように見えます。文様は、松の丸文でないかと思います。
 重ね色目は
  鳥ノ子色襲(表白▪中陪紅梅▪裏黄)これは四季着用の色目です。
 こちらの色目が、近いかなと思います。御小袿の裏地が黄色に見えますので。ただ見てもお分かりですが、表地は白ですのでちょっと違うようです。でも上皇后様の小袿は、白地なのかな▪▪▪▪▪映像を見て判断しているだけですのでもしかしたら白地なのかも知れませんが。

 もう少しはっきりとしたいい画像があればいいのですが▪▪▪▪。せっかくの美しい装束なのに勿体ないと思います。あるかも知れませんがそれはシロガネが探し出せないからでしょう。すいません。

次は袿袴を御紹介します。
平成21年(2009)11月29日放送の「皇室日記」から



 この袿は、白地の二陪織物。地文は▪▪▪▪すいません。調べてみましたが分かりませんでした。花の丸文もどんな名の花なのか、花には疎いシロガネには分かりませんが、上皇后様の御好みなんだと思います。

 裏地は淡紅ですが、そうだと表は白▪裏は淡紅の重ねの色目は幾つかりまして、こう、というのが書けません。しかし、春の重ね色目だと思いますが。例えば、
 梅襲(表白▪裏淡紅)
 桜襲(表白▪裏淡紅)などがあります。


 この袿袴はお途中着と御所では呼ばれています。祭祀に御出ましの前に御所で、御潔斎された後に、この袿袴に御召し替えなされて宮中三殿の正式な御潔斎所と御召し替え場所でもある、綾綺殿に行かれます。

 そして袿袴から、殿上に御上がりになられる正式な御装束、御小袿、御長袴姿に御召し替えになられます。その事から御所から宮中三殿までにこの袿袴を御召しになられるのでお途中着と言われます。

着付けした姿

 こうして上皇后様の御装束を調べてわかった事は、上皇后様の白地に対するこだわりがとても御強いと言うことです。御洋装でも白は、多いのですが御装束でも同じのようです。

 今回装束を調べるのにあたり御拝礼に向かわれ、そして御退出される上皇后様の映像を、何度もみましたが御長袴をはかれている上皇后様の歩きが何とも自然でさっさっと前に進まれていらっしゃり、そして御小袿の御裾を持つ袿袴姿の女官さんも、上皇后様の歩きにきちんと合わせていらっしゃっり、連携がちゃんと取れていらっしゃる様子にはシロガネは強く印象に残りました。



 今の日本で長袴であんなに綺麗に歩かれる事が御出来になられるのは上皇后様だけでしょう。



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