昭憲皇太后の次は、貞明皇后の十二単を紹介しします。
こちらの御写真は皇太后になられてからの昭和5年の撮影です。
貞明皇后の十二単は、大正天皇の御大礼用のものですが、御大礼の時は丁度、貞明皇后は三笠宮様を、御懐妊なされておりましたので御出ましになる事は、出来ませんでした。
この十二単は貞明皇后の亡き後は現在は、長野県の善光寺に所蔵されています。
御唐衣
白地の浮小葵の地文、紅と萌黄の段が替わりの向鳳凰丸の上文の
二陪織物
裏地 蘇芳地の綾の板引
御表着
青地の亀甲地文、白藤の丸上文の二陪織物
御打衣
濃紫地の堅繁菱文綾
裏地 濃紫の平絹
御五衣
蘇芳地の雲立涌文の固地綾
裏地 二藍の平絹
御単
紅幸菱文固地綾
御裳
白地の綾織物で、三重襷の地文に、桐、竹鳳凰の摺
御長袴
紅精好
次は香淳皇后の十二単です。
こちらの御写真は昭和27年(1952)11月10日の上皇陛下、立太子の際での撮影。
こちらのお写真は、後年に同じ『立太子の礼』に御召しの小袿姿となられてカラー写真で撮影されました。
こちらの御写真は昭和3年(1928)の昭和の御大礼の時に京都御所で御撮影されました香淳皇后です。
そして、動乱の年月が流れて平和な時代になったその39年後・・・・・・
昭和42年(1967)、自ら望まれて御大礼時の御正装をカラー写真で撮影
御唐衣と御表着は、貞明皇后の十二単と同じですがしかし、御五衣は違います。紅匂い(紅のグラレーション)のようです。この紅匂いの御五衣は、平成の御大礼での、上皇后様の十二単の御五衣へと受け継がれます。
こちらの屏風は、昭和の御大礼の際、貞明皇后より香淳皇后へと贈られた高取惟成作の赤坂離宮御苑の春です。
香淳皇后が高取惟成作の「枕草子絵巻」を、借りられて模写されたものです。冒頭の絵も同じです。