AQUA DEL REY大島ブログ たこつぼ

伊豆大島のダイビングショップ・アクアデルレイの猫スタッフ たこ から人スタッフが引き継いだちょこっとワイルドライフブログ

見学できて本当にラッキーです・・今年のウミガメ産卵巣調べ

2017-08-26 20:31:51 | 陸上自然
ここ数年、スタッフはウミガメの産卵巣調べを見せていただく機会に恵まれていますが、
今年も8月19日と昨日8月25日の2回、アカウミガメの産卵巣調べを見学させていただくことが出来ました。



8月19日地引浜で行われた調査では、かなり多くの卵が孵化して子ガメとなったことがわかりました。

1回でお母さんカメが約100個程度の卵を産み落とすそうです。
そのうちの何割が孵化したのか、ということを調べます。

子ガメ達が自力で穴を脱出して、海へ去っていった後の穴を掘って調べているのですが、
中にはまだ脱出していなかったのんびり子ガメさんが出てくることがあります。
地引浜の調査では残っていた子ガメを見ることができました。

一生懸命、海の方向へ這っていこうとする元気な子ガメ達です。(この後、海の手前で放されます)


いっぽうの砂の浜で行われた2回目の調査では、20匹程度が自力で脱出したことが足跡から確認されていましたが、
掘ってみると多くの卵が孵化していない状態でした。



1回目の地引浜の産卵巣では7割程度が子ガメとなったそうですが、2回目の砂の浜では2割程度しか孵化しませんでした。
調査をされている方のお話では孵化率は5割くらいが平均だそうです。
孵化には地温や降雨などの様々な気候条件が影響しています。
今年は天候不順でしたので、カメにとって厳しい年になったのではないでしょうか。


自力で這い出していった子ガメとのんびり残っていた子ガメ達にはこれから海中でさらに厳しい試練が待っていることでしょう。

それでも、あきらめずに小さな体でチャレンジしていく姿には毎年勇気を貰います。

こんな健気な子ガメ達を少しでもお手伝いできることはないのかな・・と考えてしまいます。
産卵や子ガメの巣立ちには人工的な灯りがなく、ゴミの少ない砂浜が必要です。
また、車や重機が入らない場所であることも大切です。
育っていく過程では、海中に漂うビニール袋等を餌と間違えて食べてしまうことも考えられます。
私達は日頃からゴミを減らして、謙虚に生活することがカメ達を応援することに繋がるのだなと思います。

リピーター様などから「見学したい!」というお話をいただきます。
産卵巣調べは島内外の方どなたでも見学可能なのですが、いつ行われるかが定かではありません。
(孵化の様子で決定されるので・・・)
ですので、ちょうどその日に御来島されていたラッキーな方のみが参加できるのです。