日本にリアリズム写真家のひとり木村伊兵衛のパリ残像展を鑑賞しました。
木村伊兵衛は、土門拳と並ぶ日本を代表する写真家。今回は、1954年から1955年にパリを取材した木村が、パリに住む人々の生活を撮った作品で構成されています。
カラー写真で撮られたパリの街並みは、シックな色彩で、独特なカラー写真です。現在の鮮明な色彩や加工された色彩とは違い、木村らしい人物に主題を置いた生き生きとした表現がどこか温かみを感じます。
現在SNSを通じて様々なアマチュア写真家の作品があふれています。また、従来写真をし好する人は、あまり他人の作品を観る機会が少ないように感じます。写真芸術の分野において、今回の木村伊兵衛や土門拳に続く有名写真家の展覧会も数多く開催されるようになりました。
こうしたプロ写真家の作品を鑑賞し、その感性や技術を学ぶことも、写真愛好家にとっては必要な作業ではないでしょうか。
パリを描き続けた荻須高徳の記念美術館にふさわしい展示で、写真愛好家なら必見の展覧会です。