映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、裏切りのサーカスの原作者による、クライムサスペンス「われらが背きし者」です。
オスカー俳優、ゲイリー・グッドマンが主演のスパイサスペンスとして記憶に残る人も多い「裏切りのサーカス」の原作者ジョン・ル・カレ。元MI6の出身とあって、そのリアリティーあふれる作品は重厚感があり今までのスパイ作品とは違う空気を醸し出してました。本作品は、2016年に公開されましたが、アマゾンで、2016年公開作品が多数アップされてるので、今回取り上げました。
今回は平凡な大学教授が、ロシアマフィアの亡命を手助けすることになり、ロシアとMI6のメンバーの癒着とその証拠を掴もうとするMI6メンバー、ロシアマフィアと大学教授との亡命を巡る友情劇など、一般人が加わることで裏切りのサーカスとは違う人間味あふれる展開になっています。
スパイ映画と言えば、間もなく新作が公開のM:1やボーンなどの派手なアクションが中心の娯楽映画が多い中、ジョン・ル・カレ原作の作品は、諜報綱が張り巡らされた知能戦が中心です。以前ならば、そうした知識は机上の産物でしたが、情報化社会の今では、何か絶対的な権力者による独裁がはびこぶ世界の現実を嘘として語らなけらばならない怖さを感じます。
そうした中で、こうした作品が作られることの意義はとても大きく、原作者も含め映画に携わる人々の勇気を感じます。だからこそ、映画を観る者も、異様な緊張感を持つのではないかと思います。