クリント・イーストウッド監督の実話に基づく最新作。「15時17分、パリ行き」を観賞
3月は、観たい映画が目白押し。アカデミー賞ノミネート作品も公開されていますが、今回は、アメリカンスナイパー、ハドソン川の奇跡に続く実話に基づくヒューマンドラマ「15時17分、パリ行き」を観賞しました。
今回の作品は、頻発するテロ事件の現在。2015年にヨーロッパで起こった無差別テロ「タリス銃乱射事件」で現場に居合わせた3人の若者が犯人を取り押さえ事件を最小限に抑えた出来事を描いています。しかも主役に実在の3人という斬新かつリアル趣向で。
クリント・イーストウッド監督は、数時間で起こった事件だけを描かず、3人の若者が事件に至る経過を3人の生い立ちから追い、3人が如何にして事件を抑えることが出来たかを内面から深く掘り下げています。
アメリカンスナイパーやハドソン川の奇跡でも、その点は共通するところですが、何より一番評価できるのは俳優ではない三人の若者の自然な名演が光ります。主人公が実在の人物という話題性がなくても、新人俳優が演じていたと思います。
リアルタイムに起こった事件と訓練を受けた若者の強靭な肉体、そして三人がたどった生い立ちと家族を含めた深い友情の絆、どれをとっても、外せない必然性を持って生まれた、静かな感動を与える秀作です。