日本人は、印象派が好きとよく言われます。これは、バブル期にオークションで日本人が印象派の絵画を高値で落札したところから日本人を揶揄する言葉として用いられたのですが、バブルの崩壊により企業の倒産により、多くの印象派の絵画が安く日本から流出しました。
バブルにる絵画投機の結果が招いた悲劇なのですが、日本を代表する企業や美術館は、そうした中でも印象派の絵画を守っています。
作家の木々康子氏による興味深いコラムがありましたので、かいつまんで紹介したいと思います。最近多くの印象派展が日本で開催され注目を浴びています。今でこそ、世界で愛されている印象派の画家たち。
その画家たちと親交を持ち、まだ評価されていない頃からその運動を支えた人がいます。日本の美術商の林忠正氏です。林は浮世絵の販売の傍ら、印象派の作品を収集し明治半ばにコローやルノアールなどの作品を展示しているのです。そして、フランス滞在中に集めた600点ものコレクションを持ち帰り美術館を建てようとするのですが実現しないまま亡くなります。
親交のあった画家は、マネ、ドガ、ピサロ、モネ、シスレー、セザンヌ、ルノアールなどの名高い印象派の画家たちで、ジャポニズムの影響を受けた画家たちに林の浮世絵などと交換しているのです。
林と言う一人の日本人が印象派の画家たちとのかけ橋となり印象派と言う美術界における重要な時代が作られたのです。こうした経緯を考えると印象派と日本は切り離せない存在で誇りるべき文化交流と言えます。
現在東京富士美術館で開催中の「「光の讃歌 印象派展」では、同館のコレクションをから世界40館、80点に及ぶ印象派の画家たちの名品が並んでいます。九州展、関西展と5月11日まで巡回。
偉大な日本人との交流に思いをはせながら、印象派たちに作品を堪能したいと思っています。あなたもぜひ、印象派を支える日本人としての誇りを胸に楽しんでみませんか。