実話に基づく感動作「チョコレートドーナツ」を観賞。
絶対泣くなと思ってましたが、やはり涙ぐんでしまいました。全米で観客を総なめにした話題作が、今日本でも静かなロングランをヒットを続けています。
物語は、ゲイのショーダンサーと弁護士の二人が母親に育児放棄されたダウン症の少年を家族として育て過ごすもの。1079年のアメリカで、まだ同性愛者に対する偏見が強い時代に少年の親となる権利を勝ち取るために戦った実話をもとに作られました。
ショーダンサーの成功を夢見るルディーとゲイであることを隠して生きる弁護士のポール。そして、ダウン症の少年マルコ。三人の愛情あふれる共同生活と偏見の中で引き離されながら戦う姿が生き生きと描かれていきます。
シンプルな内容ながら、ジワリジワリと感動が伝わり、ラストに向かいながら自然に涙があふれていくヒューマン作品です。トニー賞を受賞したルディ演じる、アラン・カミングの歌声が圧巻。ポールを演じた、ギャレット・ディラハントは、知的でナイーブなゲイ役を好演。そしてマルコ役のアイザック・レイヴァは、ダウン症のプロ俳優で、観る者を引き付ける名演振りが光る存在でした。
この作品の結末は、マルコの好きなチョコレートドーナツとルディのハッピーエンドの童話がキーワード。この映画のラストが感動と共に観る人に深い意味をもつと思います。